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パパになる◇関屋◇
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裕太が逃げるようにトイレに立て篭もり吐いていた。
吐くほど僕に触れられるのが嫌だったのかな?
「裕太?」
「ごめん…朝則…」
あぁ、嫌われたか…。
「俺のカバン持ってきて…」
「分かった」
裕太にカバンを渡し、再びトイレに篭もってしまった。
数分後に出て来た裕太は恥ずかしそうに、何かを差し出してきた。
「え?」
「う…うん」
渡されたのは使用済みの妊娠判定薬…そこには妊娠を知らせる赤い線。
「本当に?本当なんだね!」
「朝則?」
「ありがとう裕太…幸せにするから…ありがとうありがとう」
「朝則…嬉しい?」
「当たり前だろ!嬉しいよ!僕もパパになるのか…」
裕太のお腹に僕の子が宿ってる。
こんなに嬉しい事はない。
僕はもうすぐパパになる…裕太と二人だけではなく三人で暮らすことになる。
こんなちゃらんぽらんな僕に…家族が出来る。
「朝則?泣いてんの?」
「嬉しくてね…」
僕の嬉し涙を見た裕太は、にへらと笑い。
「子供が出来たら朝則が浮気するのかと思った」
「するわけ無いだろ?オーナーにも知らせて休ませてもらわないとな?」
「えー!俺働くよ?」
「ネットで調べたけど安定期に入るまでは無理しちゃダメだって書いてあったから…ね?お休みしなさい」
「ゔー…」
裕太は不満そうに唸ってはいるが、安定するまでは動きも制限させなければならない、もちろん仕事を休むのだから家の中の事はしてもらう。
ベランダに簀子を置いて、段差をなるべく無くさなくてはならない。
お風呂はバリアフリーだから問題は無い。
問題はシフトの調整だな…。
【月のうさぎ】の客はまったりする人が多いので回転は悪いが、ランチタイムは戦争だ。
裕太一人抜けるとなると…。
バイト増やした方がいいかな?
下手に増やすと教育も大変だし。
「朝則?」
「しばらくは出勤してくれる?」
「するする!」
「オーナーに言って休憩時間増やすから」
「増やさなくても…」
「匂いとかダメだったら出られないでしょ?」
「うん…朝則…好き…」
「僕も裕太が好きだよ…」
「ん…何?」
「このお腹の中に…新しい命があるんだなぁ…」
「不思議だよな…」
オーナーに裕太の妊娠を知らせたら『帰らせなさい』と言われ、裕太を帰らせた。
「洗濯とか掃除して時間を潰すよ」
と、お金も少し渡してタクシーで帰らせたが、何かの弾みに転んでないか心配で仕方がないが、注文を間違えないようにしないと…。
「関屋くんどうしたの?」
「関屋くんが珍しくボーッとしてる」
「猫山くんはサボりか?」
お客様から色んな言葉が飛び出す中、仕方が無く裕太に頼み、メルマガを配信してもらう。
「ん?メルマガ?」←客
「猫山くんが…!!!」←客
「妊娠!?」←客
「誰の…あぁ!!関屋くんと猫山くん結婚してたのか?」←客
「はい…」
「そうかそうか関屋くんも…」←客
「指輪は?」←客
「これからです。子供が産まれたら籍を入れます」
「子供の誕生日を入籍記念日に?オツだねぇ…」←客
「これで関屋くんも身を固めるか!」←客
「はい」
「いやいや、おめでとう」←客
裕太は暇なのか仕事が早い。
そしてお客様から「猫山くんが安定期に入ったらお祝いをしよう」と、言う事になった。
もちろんオーナーも大賛成で、バイトから【月のうさぎ】の正社員のバイト主任に昇進した。
「関屋くんも家庭を持つのだから…」
「ありがとうございます」
「猫山くんと一緒になってからは異性同姓遊びはしなくなったしのぉー…」
「オーナー!!!」
「ふぉっふぉっふぉっ」
後日、お客様から「昇進祝い」やら「猫山くんに」とマタニティー服を頂いてしまった。
裕太は喜んでいたが、悪阻が酷く入院した。
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