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かわいいヤツ。
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「ぐはっ…!」
なんだなんだなんだ??
お腹に突然重みを感じ、俺は目を覚ました。ゆっくりと目を開けると、見馴れた天井と見馴れない人間の髪が飛び込んできた。
しばらくそのままボーッと何が起こったか考えてから、身体を動かそうとした途端、突然首まわりに風が吹き抜けたように感じた。
寒っ…!
だが、よくよく考えてみたら俺の上にのってるモンて…
あ、やっぱり水音だ。
寒いのか、俺のパジャマのあわせのところに顔がある。
どんだけ人肌が好きなんだよ…。
いや、俺があの土砂降りの雨の中で見つけたとき、コイツのまわりに人の気配はまったく感じられなかった。
あんなところで、水音は生きてきたのか?それともどこからか逃げ出してきたのか?
どちらにしても、あまりのツラさに思わず目をそらしたくなりそうだ。
義務教育は済ませているらしいが、それでもコイツは未成年で、あまりにもか弱い。
怖かっただろうな。不安だっただろうな。ツラかっただろうな。…寂しかっただろうな。
まったくコイツの親は何を考えているんだろう。こんなに大人しくてイイコ、なかなかいないだろうが。
俺がコイツぐらいの時は、親に一丁前に反抗して、屁理屈こねて…。
今思えば、かなりめんどくさいガキだったと自分でも思う。
「……ンぅ…」
「お、起きたか?」
「ンー……ンぅ………スースー…」
二度寝かよ。いい加減重いんだけどな…。そして寒い。普通パジャマの裾に顔突っ込むか…
そう思いながらも俺の顔はゆるみっぱなしで、自分で自分を『今、誰かが俺の顔を見たらキモいって思うだろーな』なんて考えた。
あ、ヤバそろそろ限界…。
俺はそっと水音を横に転がすと、上半身を起こした。そして、もう少しで大声を出すとこだった。
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