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泣き上戸な凛太朗③
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その後、凛太朗は何かを俺に喋り続けていたが、その内容はまったくもってよく分からなかった。
文章がところどころ途切れる上、凛太朗はあまり呂律がまわっていなかったりするため、理解しようにも理解できなかったのだ。
だからとりあえずウンウンと頷いていると、しばらくすると知らぬ間に寝てしまった。
まったくお騒がせな後輩だ。俺は凛太朗にタオルケットをかけながら苦笑いした。
俺は凛太朗の頭と床の間にクッションを置き、寝室に向かった。
音を立てないよう、ゆっくりベッドに入った。水音の小さな頭は枕の横にあった。
そして、水音の頭を枕に移動させてから俺は眠りについた。
ーーーー
ーー
「ん…」
その次の日、俺はいつもどおりケータイのアラームで目を覚ました。
時刻は朝の6:00ちょうど。
大きなひとあくびをし、上半身を起こした。なんとなく今日は目覚めが悪い。
昨日何かあったっけ、と寝ぼけた頭でふわふわ考える。
ふわぁ…。
支度、支度…っと。
そして寝ぐせでピョンピョンはねているあたりを手ぐしでときながら、リビングに入る。
「お…おはようございます、司さん」
もう起きていたらしい水音がなぜか小声で俺に声をかけてきた。
…今日もちっちゃいのな。
「おはよう、水音。今起きたのか?」
つられて俺も小声になる。
「はい」
「で?俺たちはなんで小声なんだ?」
「だって…知らない人、寝てますよ?あのぅ…これがみんなが言う『空き巣』ですか?
ちょっとボクが思っていたのとちがうんですけど…」
そう言った水音の視線の先には、昨日俺がここまで運んできた凛太朗がいた。
こちらが笑いたくなるほどぐっすりの。
「あ、しまった!忘れてた」
起きた後のことを完全に忘れていた。…というより今まで存在を忘れていた。凛太朗に心の中で謝る。
ーーすまん、凛太朗。
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