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寂しいよぉ③
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♪トゥルルルルルル、トゥルルルルルル…
その時、ふいに静かなはずの家に、なにやら音が鳴り響いているのに気づいた。
でも、ここちよいベッドから離れたくなくて。
なんの音だろう、と耳を澄ませていると、司さんから教えてもらった電話を思い出した。
もしかして、これ、電話の音!?
ボクは弾かれたようにベッドから起き上がり…また落ちた。今度は思いっきり頭から。
「イテテ…」
トゥルルルルルル…
「あぁ! 待って待って!」
電話さん、ボクいるからもうちょっとだけ待って!!
おでこをさすりながら、リビングに走るとまだ電話は切れていなかった。
焦りに焦って受話器に手を伸ばしかけて、ボクは手を下ろした。
えっと…
『…相手を確認して…』
「相手を確認して…」
『…俺からだと確認したら受話器をとって…』
「司さんからだと確認したら受話器をとって…」
『…そんで…』
「そんで…」
『「もしもし、だ」』
「はーい、よくできました!」
やった!!司さんの声だ!
「もしもし、司…さん?」
「はい司さんです」
「ホントに?」
「ホントだよ」
「ホントにホント?」
「ホントだってば。やたら疑うな〜
まちがいなく俺だよ、司だ」
「ウッ……司さんだ」
「はいはい 笑
なんだ?泣いてんのか?」
「な、泣いてないよ!」
あわてて目をグリグリと抑える。
「そうかそうか、ならいいんだ。いやちょっと時間が出来てな、さっそく水音に電話してみたんだ。元気にしてるか?」
「うん!」
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