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「なにが言いたい?」
「お前みたいなやつ。どうせ自分が誰かに組み敷かれるわけがない、とか根拠のない自信ってやつがあるんだろ?プライド高いやつは特に。」
「……当たり前だ。」
寮監は断言した俺にニッと笑いかける。
「そういうヤツのプライドへし折って、嬲り倒してやりてぇやつは山ほどいるんだよ。特にここにはな。」
そういうと寮監は相変わらずのニヤニヤ顔で俺の目の前まで来た。
「……なんだ。」
「いいな、その目……俺もその自信に満ちた目を屈辱に染めてやりたいね。」
「…………くたばれ。」
俺は寮監を一睨みして、その横を通り抜けた…否、抜けようとした。
「待てよ。」
それを止めたのは掴まれた腕だった。
「……なんだよ。」
「悪いことは言わない。玖川拓人には逆らうな。」
「玖川拓人?」
その名を復唱すると寮監は真剣な顔で頷いた。
「ヤツにだけは大口叩くな。反抗するな。だからと言って言いなりになれと言ってるわけじゃない。でも、お前が平和な日々を送れるかは十中八九そいつにかかってる。」
「…ここに来た時点で平和な生活ができるとは思ってねぇよ。つか、名前聞いても覚えてねぇだろうからな。」
そういってヤツの手を振りほどく。
「……お前、俺の名前…」
「覚えてねぇよ。」
玖川拓人……
その時は聞き流していたが、それは本気で俺の生活を大きく左右するやつの名だった。
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