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「……理由?なんだったけな〜」
「覚えてないのか…?」
「ん〜どれが原因なのかわかんないな〜。先輩殴っちゃったからかな?あ!それとも教師に机投げちゃったこと?いやいやそれとも……」
「……わかった。もういいぞ。」
チッ……気を遣って損した。
やることやってるじゃねぇか、こいつ。
「え〜もっと俺の武勇伝話してあげるのに〜!」
「いらん。」
なんだか無駄に神経使ってよくわからない疲れに襲われた。
机に項垂れると横からケラケラ軽い笑い声がする。
「でも、ここのクラスは最高だよ〜。確かに食堂使えないし、授業もまともにない。向こうと比べると差別されて待遇なんて最悪!でも見て?皆生き生きしてるでしょ!」
そう言われて顔を上げると、バカみたいに笑い合う生徒。
無邪気にじゃれあう生徒。
……確かにな。
俺たちのクラスは成績が全てだった。
成績によって扱われ方が違う。
ここで腕の力が価値を変えているのであれば、向こうは学力だ。
落ちこぼれないよう…見下されないよう…誰もが時間と勉学に振り回されているあそこでは人間関係もどこかぎこちなく感じる。
それがこちらではまるでない。
確かに力の差で区別されているのもしれない。
暗黙のルールってのがあるんだろう。
でも、それ自体が生徒たちの在り方を縛ってるようには彼らを見ていると思えないのだ。
個性をそのまま出せる
唯一のクラスなのかもしれない。
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