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「……そうだな。いいクラスなのかもしれないな。」
「でしょ?ここでは皆仲間なんだ〜!誰もが仲間のためにはなんだってする。」
まぁ、ちょっと気性が荒すぎるところあるけどね
そういって笑う嶋津は本当にこのクラスが好きらしい。
でも…
仲間…ね……
そんなのやっぱり…
「くだらない…」
「仁ちゃん?」
「くだらねぇよ。仲間なんて……」
俺は無意識に持っていた参考書をギュッと握りしめていた。
「仁ちゃん……なんでそんなこと言うの?」
その声にハッとした。
……怒ってる。
さっきの奏と同じだ。
でも関係ねぇ。
「……どうせ人間なんて一人だ。誰かを信用したって裏切られて終わりだ。俺だけだ。俺を裏切らないのは。俺の力だけだ。」
仲間っていうのがここではすげぇ重要なのかもしれない。
きっとそれを侮辱されるのが許せないのだろう。
だが、俺にはその言葉に嫌悪しか生まれない。
くだらない…くだらねぇんだよ
「………仁ちゃん、何かあったの?なんでそんなこと……そんなの悲しすぎるじゃん。」
「……別に。」
俺はそれだけ言うと立ち上がった。
意外と音が大きかったのか、生徒たちの視線が集まる。
それに小さく舌打ちして教室を出る。
嶋津が後ろで何か言っていたが聞かぬふりをした。
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