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「別に可哀想なやつだと思われてもいい。全部今更って感じだ。めんどくせぇって思ってくれても構わない。でも、俺は生き方を変える気はない」
「……面倒くさいなんて思わないよ」
その声は微かに震えているようだが、迷いはみえなかった。
「仁ちゃんが他人を信用しないのはそんなことがあったから?」
「……どうだろうな」
そうかと言われればそうかもしれないし、違うかもしれない。
俺自身、過去のことを深刻に考えたことがあまりないからだ。
ただ、都合のいい時だけ家族だのなんだの言ってくるのが許せねぇ…
それだけだ。
「……俺は何つまんねぇこと話してんだろうな」
「つまらなくなんかないよ!なんか嬉しいな〜!話してくれてありがとう!」
……感謝される意味がわからねぇ
「別に。お前が聞きたそうにしてたからな。隠すことでもねぇし」
「いや!普通はそういうの隠すって!仁ちゃんは強いんだね!」
「は?何を今更。俺が弱いわけがねぇだろ、アホが」
そう言うと嶋津はいつものようにケラケラと笑い出した。
……こいつはこうだから一緒にいて楽だ。
変に同情され続けて気を遣われるのが一番で鬱陶しい。
「……なんか熱い…」
「ちょっと!布団脱いじゃダメ!熱上がるよ?!」
「……うるせぇ」
頭がぼんやりしてくる。
そんな俺に気付いたのか嶋津は黙って布団を元に戻すと立ち上がった。
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