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いつもより早く解放されただけ時間も早い
と言っても陽は傾き、久しぶりに雲が切れた空は紅く染まっている。
職員室を後にして誰もいない廊下を歩く。
「……嶋津の野郎、何買いやがったんだ」
嶋津に買い物を頼んでいたことをふと思い出した。
あいつに任せてよかったのか、かなり不安だ。
……不安すぎる
これは早く帰るべきだな
少しだけ歩くペースを上げた。
ふと、裏庭に繋がる廊下を通った時
何の気なしに開いたドアから裏庭に目をやった。
「ん?」
思わず足を止める。
逆光でよく見えないが……何かいる?
庭の中心に……何か影が見える。
グッと目を細め、それを見つめる。
しばらくそうしていると、小さくて丸かったそれは突然伸びて何かがスッと持ち上がった。
そのシルエットには見覚えがある。
「……猫か?」
ゆらゆらと揺れるそれは見紛うことのない長くて細い尻尾だ。
左右に揺れるそれにつられるように俺は中庭に足を踏み入れた。
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