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意気地無し
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竜馬は七光りではあるが、命令された仕事はきっちりとこなしている。
ただ少々意気地無しなだけだ。
心の強い人間になれという母の言葉は竜馬が父親になんども、説教された中唯一覚えている教えだと思う。
男は男らしくと言ってなんだかよくわからない武術を仕込まれたり、柄にもなく英才教育や、経営学を教わったりはしたが、今のところ学んでいて良かったとは思わなかった。
むしろ高校の時に教わったパソコンの方がだいぶ役に立っているとおもう。
そして今だに自分のしていることが楽しいとも父親の仕事をつごうとも思わない。
「あーらぁ、お兄さん?しょぼくれてるねぇかわいそぉ…なになに?どーしたの?」
いつの間にかしょんぼりとした顔になっていたらしく、繁華街のいかにも体を売り物にしている女性が話しかけてきた。
「そういう君もこんな時間に何してるの?追加料金に満足出来なかった?」
女性は胸の大きく開いた服から谷間をのぞかせている。自分をターゲットにしているみたいだ。
やだ、いじわるー!と、言うがほとんど気分を害しているようには見えなかった。
「悪いけど俺もあんまり金をだせないよ?」
クスリと笑って身を翻す。
「べつにいいよ?イケメンなら。」
すぐさま後につき顔を覗き込む。彼女の動きに合わせてふんわりと香りが立ち上る。
「上手じゃないけど君がそういうなら行こう」
竜馬は再度クスリと控えめに笑い、彼女の腕を取った。
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