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ブラコンな兄×ツンデレな弟
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急にシャーペンの音が止まったので何かに行き詰まったのかと思い、読んでいた本を閉じて隣に座る弟へ顔を向ける。
「どした? 何かわかんない問題でも」
「おい、兄貴」
「ん?」
隣で宿題をしていた弟が軽いため息をついて、問題集に目をやったまま口を開く。
「気が散る。 向こう行けよ」
「はいはい……」
よっこらせ、と声を出しながら立ち上がり、伸びをする。
さっき机の上に置いた本を手にとって、下で問題集とにらめっこしている弟に声をかけた。
「じゃあにーちゃん、あっちに行ってるから。 わかんない問題あったらにーちゃんにちゃんと言えよ? いいな?」
「うぜえ」
「うっ……」
こちらを見ずに冷たい態度をとる愛しい弟に背を向けて項垂れる。
幼い頃は僕にべったりだった弟。
小さな身体で「にーちゃにーちゃ」と僕を呼びながら、ふわふわの茶色い髪を揺らしてこちらへ歩いてきては僕から離れなかったあの頃の弟の姿を思い浮かべて、思わず顔がにやける。
「……兄貴」
「ん?」
今ではすっかり兄離れしてしまって僕の後を追いかけてくることはないのだけど。
たまに、弟は拗ねたように僕を呼ぶ。
そして、顔を真っ赤にして、蚊の鳴くような小さな声でこう言うのだ。
「やっぱ俺の隣にいて」
(ふふふふふ、可愛いなあ~)
(まじうぜえ……さっきの取り消し。 やっぱあっちいってろ)
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