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再会
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大学4年生の夏、優秀な優斗はもう就職先の内定もとれて、ゆっくりとした日々を送っていた。
ーーもうすぐ夏休みに入るのかぁ。
「優斗!もう帰り?一緒に帰ろうぜ」
優斗の親友の1人、歩夢が笑顔で近づいてきた。
優斗はどちらかといえば社交的な方であるが、歩夢はその上を行く社交家で友人も多く、一緒に居る時はとても楽しい時間を過ごせた。
「アユ、今日サークル入ってなかったっけ?この時間に帰るなんて珍しいね。」
気温は暑いけれど、キャンパス内は木陰が多くて、風が吹けば暑さも和らいだ。
「ああ。今日はなんか体育館修理するとかで使えなくなったんだよ。」
歩夢はバスケのサークルに所属していて、
4年生で忙しい時期だということで引退する人も多い中、優斗同様既に内定がとれた歩夢は、運動しないと頭がおかしくなるとか言ってサークルを続けて居る。
「そういえば優斗さ、今年の夏どうするんだ?お前もう内定も決まってるし結構暇だろ?俺も暇なんだよな〜。今までは特に予定なくても家に帰ればお前が居たから良かったけど、今年の夏は1人だろ?絶対つまらない夏休みになる!死ぬ!」
去年まで歩夢と優斗は一緒に暮らしていた。
歩夢と優斗は高校からの付き合いで、家を出たいけれどお金がなくて1人暮らしができないと言っていた優斗に、だったら一緒に暮らさないか?と歩夢が提案してくれたのだ。
しかし今年からは、社会人になってからも歩夢に頼っていられないから、その時のために慣れとかないとと、優斗が言い出し、今は3年間毎日コツコツと働いて貯めてきたお金で1人暮らしをしている。
「俺も今年は暇だよ。まだ内定決まってない人も多いし。アユは暇そうにしてるけど、サークル結構あるでしょ?俺どうしようかな〜」
「サークルの予定分かったら連絡するから一緒に遊ぼうぜ」
そういって歩夢は笑いながら、背中を叩いてきた。
ーー1人暮らしをしても、何だかんだアユとずっと一緒にいるな(笑)
「そういえばさ優斗。お前今年のお盆も家に帰らないの?」
急に真面目な顔になって、歩夢が問いかけてくる。
一緒に暮らしていたのもあり、歩夢は優斗がお盆に家に帰らないことを知っていた。と、いうよりも高校卒業してから1度も家に帰っていない。
「うん。」
「そっか。」
そんな優斗を知っていても、そのことについて深く探ってこない歩夢の優しさに優斗は感謝していた。
「あ、そうそう。8月の終わりにお祭りあるだろ?ほら花火大会!それ一緒に行こうぜ。丁度その日はサークル休みなんだよ。皆お祭り楽しみだからそこだけはサークル入れないって言っててさ〜。優斗その日平気か?」
「うん!多分平気。でも歩夢彼女は?」
「あーもう別れたわ。それに俺は優斗の方が大事だし(笑)」
歩夢は付き合っては別れの繰り返し。彼女ができてもすぐに飽きてしまうらしい。
「というか、優斗は?お前綺麗な顔してるのに居ないのか?」
「居ないこと知ってるくせに。」
「はは。まあ優斗独り占めできるからイイけどね〜。」
笑いながらサラッとそんな冗談を歩夢は言う。
「そうだな。俺もアユがいればいいかな。なーんて。」
そんな冗談を交わしていると、もう目の前は駅だった。
「じゃあ、俺はこっちだから。って知ってるか。たまにはまた家来いよ。自分のもう一つの家だと思ってさ。」
「うん、ありがと。じゃあな。」
そういって歩夢と別れて電車に乗る。優斗の家は大学の最寄りの駅から4駅の場所。大学から近いし、交通の便もいい。
ーー今日の夕飯どうしようかな。
今までは歩夢と交代で作っていたから、毎日作るのは結構大変だ。でも慣れなくてはいけないと自分に喝を入れデパートに入る。
ーーそういえば、もう少しでマサの誕生日だ。
マサとは優斗の弟でもう3年も会っていない。
ーー元気にしてるかな。
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