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舐めてました。
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開会式とか、好きだよな、この学園。
開会式は、もう黄色い声とかよくわからない雄叫びとか、うるさいくらい味わって何とか終わった。
今日は、理事長は不在みたいだったから、その分の歓声はなかったけど、相変わらずの生徒会と風紀のトップの2人は、黄色い声が絶えなかった。
その分、スポーツ大会実行委員長の人は、可哀想だったな。あの2人の後に登場して。
で、なんやかんやで、スポーツ大会が始まったわけなんだけど、初っ端は、俺はどの試合もなくて、何となく体育館にいたんだけどね。
結論から言うと……ムカついたんだ。
「陸〜!」
「山河くーん!」
「陸くん!がんばれー♡」
バスケットボールの第1試合。
1D対3CのAコート。
うちの体育館は広くて、というかそもそも体育館が3つあって、第一体育館は、バスケの試合、第二体育館は、バレーボールの試合、第三体育館は、バドミントンと卓球の試合と、全部の試合が同時進行で行われる。
だから、俺はこの後、バスケの試合をしたあと、急いでバレーボールの体育館に向かわなくてはならない。
下手したら、途中参加だけど、何とかしてくれるだろう。なんせ、衛がいるから。
話は戻って、第1試合のバスケの試合だが、何がムカつくって、山河への歓声だ。(忘れないでほしいのが、この黄色い歓声、全員男だということ。)
あいつ、なんであんなにバスケ上手いんだよ。……詐欺だろ。
それは意外も意外。
影ながらファンがいたらしい山河は(悔しいが確かに美形ではある)その試合での目立ちぶりに、新たなファンを生み出していた。
しかも、1人だけ頑張るのではなく、味方へのパスのタイミングとかもバッチリ。試合が終わった後には、チームで笑顔でハイタッチなんかしている。
きっと、1Dは、全員山河の仲間だ。
入学式の日に、山河が従えた仲間たちだ。
俺から、「目立ってほしい」とは言ったものの、実際にこう目の前でやられると、ムカつく。
やはり、頼む相手を間違えただろうか。
明らかに頑張って目立とうとしている人たちもいて、純粋にチームのために頑張っている人もいて、スポーツ大会は、混沌としていた。
俺は、始まって、まだ30分も経ってない段階で、既にこのスポーツ大会のめんどくささが、わかっていた。
というか、それ以前に、すごくこの行事舐めてた。
4つの種目に出ることがこんなにも大変なことだなんて……
それを、実感させられたのは、開始早々の休み以外休み無しで、ぶっ通しで、バスケ→バレーボール→サッカー→バスケ→ソフトボール→サッカーとやらされて、やっとみんなより20分遅れてお昼休みに入った時だ。競技と競技の間は、常に走っていた感じだ。
全チームで一緒のため、当然、衛も俺同様疲れた顔をして、午前中を終えていた。
お昼ご飯を前に、自然と無口になる。
「なあ、志真ちゃん。」
「なに。」
沈黙を破ったのは、衛だった。
「なんで、俺たちこんなに疲れてるの?」
「それは、浜口さんのせいだよ。」
「こんなに走ったの久しぶりだよ。明日、ちゃんと身体動くか心配だ。というかさ、さりげなく、勝ち進んでるよね。」
「いやだよ。なんで、勝ち進んでるんだろ。困ったな。」
ソフトボールは、一勝して、サッカーは二勝している。バスケとバレーボールも今のところは勝っている。
だけど……
「次、山河のとことだよな。バスケ。」
「あ、衛。今は、楽しい昼ご飯の時間なんだから、嫌なこと思い出させないでよ。」
山河の出場種目は、バスケ、バレーボール、そして、テニスだ。
噂によると、テニスはお金持ちの坊ちゃんたちにとっては、教養のようなもので、それなりに上手い強者どもがいるとか。(ミケ先輩情報)
ちなみに、会長、副会長、椿先輩は、テニスに出場するらしい。まあ、いかにもって感じだな。
翼先輩は、バレーボール、ミケ先輩は、バスケらしい。翼先輩とミケ先輩に関しては、いつか当たるかもしれない。
「なんかさ、ちょうど良くバスケ行けないって感じのサッカーとソフトボールの試合展開にならないかな。」
「志真。そうなったら、どちらかはバスケにいかなきゃだよ?」
「優しい衛は、行ってくれるよ。」
「俺は、行きたくないんだけど。」
俺と衛は、行って行きたくないの応酬をして、昼ご飯を食べ終えた。
今から、グラウンドへ向かえば、ちょうど良いくらいの時間だ。
なんだか、昼休みだったのに、全く休まった気がしない。
それは、衛も同じな様で、げんなりとした顔をしている。
衛なら、高等部のスポ大がそんなに甘くないこと知ってたはずなのに……なんで、4つの競技に出ることを了承したんだろうか。
浜口さんに、猛抗議すれば、諦めていた俺はともかく、衛は1つの競技くらい減らせたんじゃないだろうか。
でも、本当は、俺はそれの答えを知っている。
衛は、俺に気を遣ったんだ。
俺が1人で4つの競技に出ないように、何があってもいいように。
やっぱり、衛は良い奴だよな。
どっかの誰かとは大違い。
さて、どっかの誰かと直接対決する午後の部へとスポ大1日目は進んでいったとさ。
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