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東村ペダル2~二次創作弱虫ペダル東村、待宮、井尾谷
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※ えせ広島弁です
すみません
自転車競技部のキャプテン待宮さん直々に声かけてもらったけど、僕入りたいのア二研じゃけ、申し訳ないけど断わらせてもらった。
中学のアニ研は、少女漫画研究会内の一部門じゃったから肩見せまかったー。
扱うアニメも「ゆく川の流れは絶えずして」とか「非日常」とか、背中むず痒くなるようなばっかじゃったけー、高校生活だけが頼りだったんじゃ!
入部は快く受け入れられたし、僕が一番アニ研でやりたかった「美貌国(ビボウノクニ)」の戦艦まるがれーての八百分の一スケール設計案も受け入れられて、高校アニ研生活も順調に行くはずじゃったんに…
いきなり井尾谷さんが僕呼びに来たがじゃ。
「東村すまん! 待宮が! 待宮がピンチじゃあ!」
待宮さんが?
慌てた。
駆けつけたらレース会場だった。
呉市内指定コース10周。
三人出場すんのに一人来とらんと。
でも僕は、僕は…
例のスペシャライズドが運ばれてきた。
あれ見ると血が騒ぐ。
自転車が乗って乗ってと誘っとる。
僕もその誘惑に勝てない…
乗ります!
乗らせてください!
気がつくと、叫ぶように言っていた。
ペースはめちゃめちゃ早かった。
県内の有名どころ揃い踏み。
そしてその一校がうちでもあるんじゃ。
スタートダッシュ。
あおられた僕をカバーしてくれたのは待宮さん自身じゃった。
「後ろついて走れ。風防げる」
確かに。
待宮さんが前にいるだけで、風は当たらないし、走りは引っ張られるようで、ペダリングがすごく楽じゃ…
(これを引くとか引かれるというのだということを、僕はあとから知ることになるのだ)
待宮さんに引かれてるうちに、早くも六周が過ぎとった。
「代わるわ」
井尾谷さんが取って代わって前え出る。
引きの形も変わる。
井尾谷さんも凄いけど、僕は待宮さんの走りの形がより、僕には好もしい気がして…
何が違うんじゃろ。
車種?
体型?
待宮さんの走りはホットで、井尾谷さんの走りはクール。
ただ闇雲に引かれてる僕に、待宮さんが寄ってきた。
最後二周引いてくれや。
ゴール直前で儂が上がるけえ。
このレース、呉南がワンツースリーでフィニッシュじゃあ。
果たしてそういう結果になった。
待宮さん。
井尾谷さん。
僕。
他校をたっぷり十秒引き離しとった。
レース後、僕は二年生に囲まれた。
待宮さんに引いてもらえるんなら誰だって勝てる!
自惚れんなタコ一年!
何でこんなに罵られるのかわからなかった。
確かに走るのは楽しい。
でもこんなにひとに妬まれる世界なら、僕には無理だ。
「ありがとうございました」
深々頭下げて去ろうとする。
「強情じゃの。ワレも」
だって僕にとってアニ研は…アニ研は…
四日後。
僕はアニメ研究会を後にしていた。
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