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107.✧苦しくない
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✧✧✧✧
「楓さん………ね、楓さん……おれにも、気持ち良くさせて………?」
旭は言うやいなや、俺の首に腕を回して抱きついてきた。その仕草が可愛いくてそのまま旭のしたいようにさせていると、ぐいっ、と横に引き倒された。
突然の事に咄嗟に目を瞑る。柔らかいベッドに背中をつけられて、しばらくすると腰に重いものが乗っかった。同時に温かいものが俺の胸板に置かれる。
「ああっ………ん………はっ………はぁ……」
吐息のような声が零れるのが聞こえて、そっと目を開くとすぐ上に旭の顔があった。俺の胸に手をついて、ゆっくりと腰を揺らしている。
「あさ、ひ………?」
名前を呼ぶと俯いていた旭と目が合う。
なんで旭が、俺を見下ろしてるんだ?
どうして俺は、旭に見下ろされてるんだ?
旭は俺の上に跨って肩で息をしながら蕩けた目で俺を見つめてきた。
「っ、はぁ……はっ……か、えで、さ………」
「旭……おまえ………」
「はぁ……っあ……、これ……なら、かえでさ………も、気持ちよく、なれるっ………?」
「……え?」
『楓さんも、気持ちよく』って?
そういえばさっき、『俺にも、気持ちよくさせて……?』って言ってたよな………。
ああ、それで、こういうこと………。
旭が俺のを入れたまま跨っている理由は分かった。
「………っ、旭……さっきのって……」
「んっ……おれも、楓さ…にっ……気持ちよく、なって……もらいたい…か、ら………」
「……どうして、そんな事考えたの?」
「だ…て……楓さん……苦しく、ないって……」
……………なるほどね。
旭に苦しいかと聞かれて、確かに俺は苦しくないと言った。
その前に気持ちいいかとも聞かれた。その問いには気持ちいいと答えた。
そして旭はずっと、気持ちいいけどイけなくて苦しいと言っていた。
もしかして『気持ちいい=イけない=苦しい』みたいな方程式が、今の溶けた旭の中で成り立ってるんじゃないか?『気持ちいい=苦しい』ならその反対、『苦しくない=気持ち良くない』が成り立っていることも有り得そうだ。
息も整って落ち着いたらしく、旭は乾いた唇を赤い舌で濡らしてから口を開いた。
「楓さん、気持ちいいって言ったけど、苦しくはないって………。だから、楓さん、本当は気持ち良くないのかな、って…………。でも、俺、楓さんにも、気持ち良く……なってほしいから………」
「………まったくお前は。旭とセックスしてて気持ち良くないわけがないじゃん」
それに、俺だって旭の中に挿れてて、気持ち良くて苦しいと思うときもある。中がよすぎて挿れた瞬間イキそうになった事だって一度や二度だけじゃない。
前も今も、溶けるとおもしろい考えに飛躍する旭が可愛いななんて思った。
どうせ、自分で動いて俺を気持ち良くさせようとでもしたんだろう。
せっかく旭が俺の事を想ってとってくれた行動なんだから、精一杯応えてやろう。
きっと旭は狙ってやったわけじゃない。でも、ありがたいことに今の俺たちの状態は、旭の大好きな騎乗位だ。
すごく楽しみで自然と口角が上がった。
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