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111.✧ここにいる
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✧✧✧✧
何回、体勢変えたんだっけ………。
バックで始めて、途中で正常位に変わって、騎乗位で終わったから………二回か。
前の俺たちの、絡み合うような体力をすごい使うセックスに比べたらまだ少ない方で全然マシだ。
まさかこの旭にまで組み敷かれるとは思ってなかったから、引き倒された時は普通に驚いた。
けど、昨日の旭の乱れ方も、なかなか良かった。
『俺にも、気持ちよくさせて………』
自分からあんな風に誘ってくるなんて嬉しい限りだ。
二人ともイって旭が寝落ちした後、俺はそんな事を考えながら後処理をして、精液でどろどろになった旭の体を拭いてから眠りについた。
外が薄明るくなってきた頃に目が覚めてベッドの中でまどろんでいると、腕の中に抱いた旭が寝返りをうった。
さっきまでこっちに背中を向けていた旭は今は俺の胸に顔をうずめるようにして、気持ちよさそうにすやすやと寝息を立てている。
旭の寝顔を見ていると心が幸福感で満たされる。
旭とのこんな日常生活がずっと続けばいいのに、と思う。意見がすれ違う事やちょっとしたいざこざがあったりしてもいい。
俺の隣に元気な旭がいてくれさえすればそれでいいんだ。
別に今の時点でこの日常の終わりが見えているわけではないけど、旭の入院の件があってから頻繁にそう思うようになった。
小さい頃の旭は体が弱くて入退院を繰り返すような子だった。
でも、大きくなるにつれて体も丈夫になってその回数も減ってたし、高校に入学する頃には普通に元気な子に育って入院なんてまったくしてなかった。
旭はもう大丈夫なんだ、って安心しきっていた。
だから、大人になってから初めて旭が入院した時、『今度は本当に旭がいなくなるかもしれない』って、あの頃何度も考えてたことを思い出して怖くなった。
「……………楓さん………」
ちゃんとここに旭がいる事を確かめるように抱き込むと、腕の中から小さな声が聞こえた。
「おはよう旭」
「楓さん、おはよう………」
旭は欠伸を噛み殺して俺の胸に擦り寄ってきた。
お互い裸だから肌が密着して心地よい。
ああ、もう、朝から可愛いことしてくれるなあ。
思わずニヤけてしまったのを隠そうとして旭の髪に顔をうずめると、旭が俺の胸を押した。
「……………楓さん、あのさ………」
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