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119.✧おもちゃ
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✧✧✧✧
桜姉はいつも帰ってきたときはうちのゲストルームに泊まる。
クローゼットに入ってる服や小物は桜姉のものだからそのままにしておくとして、隅に積んである荷物は桜姉には全く関係のない物だ。
その荷物を置くスペースを確保するついでにダンボールも整理しようと思って、ウォークインクローゼットをひっくり返し始めたのが約二時間前。
途中で夕飯を食べたり風呂に入ったりして、黙々と片付ける。今日中に終わらなかったらまた明日にでもやろうと思っていたけど、案外終わりそうだ。
いらない物とそうでない物で分けたり、まだ全然使えそうな機材の行き先を考えたりしながら、少しずつウォークインクローゼットを片付けていく。思ったより重労働な作業に、背中や腕の筋肉が痛くなってきた事に運動不足を感じつつ、どうにか奥までたどり着いた。
「楓さん、これは?」
旭が表に何も書いてない水色の箱を引っ張り出して来た。
他のやつには『機材』や『洋服』などと中に何が入っているのかが一目で分かるように書いてあるんだけどな。
俺も初めて見るもので、心当たりがないその箱の開封を旭に頼んで、目の前にあるやたら布面積の少ない下着を一つの袋にまとめていく。
今年の旭の誕生日になぜか静輝がくれた物だ。旭の誕生日プレゼントは何がいいか相談したら『俺からのプレゼント』って渡された。未使用だし今後も使う予定はないから、後で静輝に全部送り付けよう。
「………首輪?」
そんな事を思っていたら、後ろからぽそりと声がした。
…………首輪?
振り返ると、不思議そうな顔をした旭が紺色の首輪を上に翳すようにして両手で持っていた。
「楓さん、犬でも飼ってたの?」
「あ、ああ、いや、うん、そんなところかな」
その首輪は犬用じゃなくて人間用なんだけどな、なんて言えるはずもなく、そっと旭の手から首輪を取り上げる。
首輪を箱に戻す際に中身を見てみると、『大人の』って言葉で修飾される玩具がごろごろ入っていた。それに混じって拘束具なんかも入っている。こんな所に入れてたのか。
全部、DVDと同じく旭が買い揃えたらしい。旭がこのマンションに引っ越して来てからも何度かこの玩具を使った事があった。
アブノーマルなプレイは嫌いじゃないけど、こういう玩具を使ったプレイは旭から強請られた時だけやってた。旭が乱れる姿は最高だけど、乱れるさせてるのが玩具ってのが気に食わないから。間に玩具を挟まないで直接乱れさせたい。
前の旭は玩具も好きだったけど今の旭はどうか分らないし、これらも特に使う予定はないからこの箱もしまっておこう。
「………全部、前の俺に使ってたやつ?」
「え?」
今の旭は自慰も知らなかったんだ。だからこの玩具を何に使うのかも知らないはずだと思ってた。
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