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134.✩彼の気持ち
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✩✩✩✩
しばらくの間、視線を合わせながらキスをした。
息をする隙さえも与えられなくて苦しくなって楓さんの胸を押すと、頭の後ろに楓さんの腕が回ってきてますます離れられなくなった。
その楓さんがのしかかってきて二人してソファーに倒れ込む。自分とソファーに挟まれて逃げられない俺を楓さんは見下ろしてきた。
色を孕んだ瞳に一気に体が熱くなる。
……楓さん、すごくかっこいい。
最近、さらに色気が増した気がする。
そんなことを考えていると、楓さんはするりと俺の頬を撫でた。
「言っておくけど、俺もかなり独占欲強いし、普通にヤキモチ妬くし、お前が俺以外の奴のことを話してるとイラッとくる時あるし」
「え………」
「ほら、俺は学校での旭を知らないでしょ。その旭をね、友達は知ってるのかと思うとイライラする。旭のことは、全部知っておかないと気が済まないんだ」
燃え盛る欲の炎を抑えつけるように、けれどその瞳でまっすぐに俺を射抜くように見つめながら、「俺も結構子供っぽいでしょ?」と楓さんははにかんで言った。
楓さんも俺と同じ気持ちだったんだ………。
楓さんが言ったことは全部、俺が楓さんに対して思っているものと同じだった。
心がぽかぽかしてきて嬉しくなって楓さんに抱きつく。楓さんは柔らかく笑って俺を受け入れ頭を撫でてくれた。
「だから、さっき旭が言ってくれた気持ち、すごく嬉しかった」
「っふ、俺も、すごく嬉しかった……!」
「本当は家に閉じ込めて外になんか出したくない。ずっと俺の隣に縛りつけておいて、他人が触れられないようにしたい」
「……ふふ、あの首輪で?……俺、楓さんにならそうされてもいいかも」
どこにも行かないように、誰にも触られないように、楓さんと俺だけの世界に閉じこもっていたい。
楓さんしかいらないから。楓さんがいれば他には何も必要ない。
「まあ、実際にはそうもいかないから……。けど、それくらい旭のことを愛してる」
「っ、俺も……俺も楓さんのこと愛してる……」
楓さんに独占欲を出されるのが嬉しい。
この前は『楓さんもそうだといいな』って思ってたけど、もう『楓さんもそうなんだ』って言える。
心が幸せで満たされて涙を流す俺を見て、楓さんは愛おしそうに微笑んでいた。
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