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140.✧お風呂
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桜姉が旭に勧めてきた酒を横から奪い取って飲んでいると、旭と思いっきり目が合った。
途端にぼんっと顔を真っ赤にさせた旭は、力なく俺の首筋に顔をうずめた。
普段は人前でなんか絶対に甘えてこない旭が、桜姉がいるのにこんなにベタベタくっついてきて驚いた。……すごく、可愛い。
「どうしたの旭」
「か、楓さんが……かっこよすぎて………」
「……っ………お前、やっぱ酔ってるだろ!」
「きゃ〜♡ものすごい惚気ね♡」
「………桜姉、飲み終わったらちゃんと片付けておいてよね」
「はいはい。ふふ、楓もほどほどにするのよ〜!」
全部察してるであろう桜姉の言葉を背中に、俺は旭を抱きかかえてリビングを出た。
「ん……楓さん、どこ行くの……?」
「風呂」
「へ?お風呂?」
「そう、お風呂」
きょとんとする旭を脱衣所に連れ込んで手早く服を脱がせていく。俺の手をぼーっと見つめていた旭は、俺がズボンのベルトに手をかけたのを見るとはっとして俺の腕を掴んだ。
「えっ、待って、楓さんっ……!」
「ん、自分で脱ぐ?」
「ちが……なに………なんで…」
「『なんで』って……。脱がないとお風呂入れないでしょ」
当たり前の事を言うと、旭は「そうだけど……」とため息混じりに呟いた。少しだけ入っていた酒もすっかり抜けているらしい。
不満を隠そうとしないその態度が可愛くて、つい頬が緩んでしまいそうになる。そんな俺を旭は怪訝そうな目で見ていた。
「……楓さんも、一緒に入るの…?」
「俺はそのつもりだけど、旭は一緒に入りたくない?」
「だって、恥ずかしい……」
「さんざん裸なんて見てきたのに、今更そんなこと言うの」
くすくすと笑ってからかうと、旭は困ったように眉を下げてかぁぁあっと頬を赤く染めた。
思えば、今の旭と一緒に風呂に入るのは初めてだ。だからこんなに初々しい反応をしているのか。
旭に腕を掴まれたまま少し強引に下も脱がせると、抵抗しても無駄だと気づいたのか、旭は同じように俺の着ているセーターを脱がそうとし始めた。
脱がしやすいように体を近づけると、待っていましたと言わんばかりに旭がキスをしてくる。
やけに積極的だなと頭の片隅で考えながら、旭とのキスに集中した。
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