アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
184.✩ズレてる
-
✩✩✩✩
本当に壊れるんじゃないかってくらいヤられて、腰が痛くて電車に乗るのが辛かったから正直送ってもらえて良かった。それに、久しぶりに楓さんが大学まで送ってくれたから、時間ぎりぎりまで一緒にいられて朝から幸せだった。
ふわふわしたような幸せが顔に出ていたらしくて、柚里にはすぐにバレて呆れられたけど大和や藤野からは不思議がられた。まあ、あとから気づいたみたいですっごくニヤニヤされたけど……。
桜さんと出かけた日に会って以来、藤野ともよく話すようになって、よくこの四人で行動するようになっていた。大和と藤野が楓さんのことを知っているっているのもあるんだけど。
藤野は大和から聞いていたわけでもなく、薄々気づいてたらしい。どんだけバレやすいんだ……。
藤野は信頼しても大丈夫だと柚里から言われて『柚里じゃない恋人がいる』って話したら、『やっぱりな。彼氏だろ』と案外あっさり返ってきた。言い切ってるところが藤野らしい、と柚里と大和が笑っていた。
お昼になってたまには学食でも食べようと思って、その三人と食堂に来た。
「そういや、バイトの許可おりたの?」
「うん、おりたよ。条件つきだけどね」
「条件?」
「場所と時間は譲れない、って言われた。場所は大和がバイトしてるとこで、時間は日付またぐの禁止。あと、何かあったらすぐに言うこと、接客はダメで、他のところとの掛け持ちも禁止、だって」
今朝改めて約束されたのがそれだった。わがまま言ってバイトさせてもらうんだから、それくらいはうけいれなきゃだと思ってる。バイト先の店長さんが許してくれるのかは分からないけど、前の俺がそれを守ってやっていたなら俺もちゃんと守りたい。
俺が楓さんから言われた条件をそのまま伝えると、三人の視線が俺に集まった。
「……え、なに?どうしたの、みんなして」
「…………それって、うん、すげえな……」
感心するように藤野がため息混じりに呟いた。特にすごいことなんて言ってないと思うけど……。
大和は苦笑いしてるし、柚里にいたってはスマホの画面とにらめっこしていてもうこの話から興味をなくしたみたいだった。
「……なに?俺、何かまずいこと言った?」
「いや、それさ、超束縛されてない?嫌じゃないの?」
「そうかなぁ?全然嫌じゃないけど……」
束縛が嫌だとは思わない。確かにいろいろ外のことに関して約束事はあるけど、それも俺のことを心配してくれてるからだ。楓さんが愛してくれてる証なんだと思う。
俺的にはもっと束縛してくれてもいいんだけどな。でも、こんなこと言って楓さんに引かれたら嫌だし。
「今の旭に束縛とか言っても無駄よ。全然響かないから」
「えー、だって愛情でしょ?束縛されて暴力振るわれてるわけじゃないから。愛情からの束縛だったら俺は嬉しいよ?」
「和泉、お前さ、ほんと変わってるよな〜。変なとこでズレてる。俺だったらもっとバイトくらい自分で決めたいわ」
「そういうところは、前と変わらないよな」
みんなに呆れられてよく分からなかったけど、前の俺もこんなことを言っていたんだと知って、なんだか恥ずかしかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
184 / 322