アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
185.✧ユニット
-
✧✧✧✧
十三時まで会議室で打ち合わせをして、半からのレコーディングまで社内のカフェで休憩を取っていると、カウンター席に座っている俺を挟むようにして二人の青年が座った。
旭の部屋にも置いてあったCDの曲を歌ってるユニットの二人だ。
「こんにちは〜平坂さん!」
「今日もよろしくお願いしますね」
「ああ、よろしくね」
素っ気なく返すと俺の右側に座ってる男が「相変わらずだなぁ」と笑った。
白に近い金髪の彼は旭よりも年上だけど、旭より性格が子供っぽい。人好きのする笑顔で世のお姉さんたちを虜にしてる。ころころ髪色を変えているみたいだけど、今日はやわらかい感じの金髪みたいな色だ。
「あのさ、平坂さんって、木久さんと仲いいの?」
「ん?どの木久さん?」
「俺らをスカウトしてくれた木久静輝さんですよ。平坂さんも知ってるでしょう?今朝、エレベーターのとこで見かけて、珍しい組み合わせだったので記憶に残ってたんです」
社内にたくさんいるその名字に首をひねっていると俺の左側にいる男が説明してくれた。
金髪くんとユニットを組んでる彼は金髪くんとは正反対だ。髪は落ち着いた黒だし、性格も大人びている。金髪くんが暴走しないようにブレーキをかける役らしい。こっちの彼はどちらかといえば、女子中高生に人気がある。
二人とも静輝が発掘しただけあってバランスが取れてるユニットだと思うし、あの社長のお気に入りでもある。素直で人懐こくて一緒に仕事もしやすいと、業界のお偉いさんからも評価されているんだとか。
「高校の時の先輩だったんだよ」
「えっ、同じ高校だったの!?」
「部活と委員会が一緒だった」
「へえ〜、面白いこと聞いちゃった!他には?木久さんの彼女とか知ってる?指輪してないから結婚はまだだよね?あ、でも今どきは指輪が邪魔って人もいるしな〜。どっちなんだろ?」
いたずらを思いついた子どものような顔で金髪くんは次々に聞いてくる。静輝の彼女とかそんなの知るわけない、と困っていると、それを見た察しのいい黒髪くんがやれやれと言った感じでため息をついて立ち上がった。
「じゃあ、また、スタジオで。失礼します」
「わっ、も~!なに!?うぁ、くび……、首!締まってるから!離してー!」
黒髪くんは金髪くんの首根っこを掴んで立ち上がらせると、軽く一礼をして騒ぐ金髪くんを引きずって去っていった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
185 / 322