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傷を。
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said龍之介
「安心してる場合じゃない。この血、とめなきゃ……」
眠る遙の制服のボタンを外していつも着ているパーカーのチャックも外す。
「な、っ…………」
最初に声を出したのは逸人だった。
白いはずのワイシャツ。その3分の2が血で赤く染まっていた。
液体で腹に吸い付いているようなワイシャツを捲ると、複数の刺し傷。そして古傷ばかりだった。
「高野呼んでこないと……」
「いや、その必要はない」
ガラッという音と共に保健医が入ってきた。
「よかった……先生、遙が…」
びっくりしたように遙を見る先生。
「一ノ瀬か」
「……はい」
素直に答える他なかった。
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