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消えた。
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朝8時50分ってところだろうか。
有り得ないくらい焦った逸人からの電話。
電話越しでは何も聞き取ることが出来ず、直接行くことにしたのだが、指定されたのはこの前行かないと言ったあの病院だった。
「なんで病院……?」
と聞くと、いいから早くと怒られた。
でも逸人があんなに慌てているところなんて見たことがない。しかも行き先は病院。
遙の身に何かが起こった。
今はこれ以外の理由が思い付かなかった。
◈
「なんだこんなところに呼び出して……」
病院につき、壁に寄りかかって明らかにイライラしている逸人に声をかけた。
「いいから来て」
スッと振り向き、スタスタと歩いていく。
やはり、辿り着いた先は遙の病室だった。
「ねえ。遙、いなくなった」
「……は?いなくなった?」
そう言うと、逸人は続けた。
「俺が来た時にはいなかった。検査中の貼り紙は無いし、ほかの病室もトイレも屋上も全部探した」
「嘘だろ、こんな所でいなくなる訳……」
「現に、いない」
セキュリティは厳重。面会時間の限りもある。
なんたって昨日の面会時間は全部高野が遙を見ていた。
「どうなってんだよ!!!!!」
龍之介の苛立った声が病室に響いた。
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