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突然、梓が堪えきれないという風にふっ、と息を吐いて、そのまま肩を揺らして笑い出した。
「ねぇ、あきちゃん」
「え、あ、な、なんだよ」
「見過ぎ」
俺穴あくかと思っちゃった。
そう言われて、かぁっと頰が熱くなる。
え、そんなみてたか俺、なんだそれ、どんだけ意識してんだよ。
何も言えない俺をみてさらに梓が笑う。
でも、馬鹿にしてるみたいな笑い方じゃない。
なんだか無駄に、嬉しそうな笑顔。
「大丈夫、朝からいきなり取って食うような
ことしないって」
「は、はぁっ!?べ、別にそんなこと意識して
たわけじゃっ…!!」
「本命相手にそんな急にがっつく訳ないでしょ
安心しなよ、じわじわやるから」
箸をもつ俺の手をひと撫でして、梓は目を細めて笑った。
まただ、なんだその顔、はじめてみた…
いや違う、はじめてじゃない
今まで何度かみたことがある
例えば勝手に梓が俺のベッドに潜り込んでて寝てた時の朝、目覚めてすぐ見たあいつの顔は、確かこんなのじゃなかったか。
たぶんそれは愛しいって気持ちを隠す気がない顔。
そうなのか、前からずっと、本当に梓は、俺のこと。
「お、俺っ!学校、今日、急いでいかなきゃ」
そういって飯もそこそこに家を走り出た。
気づいてしまった、梓、本当に俺のことが好きなんだ。
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