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煩悩Ⅴ〜side夜久〜
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ふわふわした感覚の後
温もりに包まれた感じがした
もう季節は夏だというのに 春の匂いがして
直ぐ側にリエーフが居るんだと思った
手を掴まれて 意識が覚醒していく
やっぱり其処に居たリエーフは
何だかいつもと 少し様子が違って見えた
「…夜久さん… キスしても良いですか⁇」
「…嫌だ」
言った後に ショボくれているリエーフは
尻尾が仕舞われてしまっている様に見えて
仕方なく 譲歩してやった
「…誰か来たら… 見える…
… カーテン閉めろ…」
自分で言って恥ずかしくなり だったらさっき
頷いとけば良かったって 少し後悔した
両腕を目の上に乗せたのは
少しでも リエーフの視線から逃げたかったから
少しの間の後
カーテンの閉まる音が聞こえたかと思ったら
手を取られて ギシッとベッドの軋む音が響く
ずっと目をきつく閉じていたのに
リエーフの柔らかい唇が当たって全身の力が抜け
怪我人にするとは思えない程の濃厚な舌使いに
意識が朦朧としてくる
「…う… ふ…」
チュッと音を立てて離れたかと思うと
首元に顔を寄せられて 擽ったさに身じろぎした
「………」
ふと リエーフの体が
小刻みに震えてるのに気付いて
俺はフッと笑うと 形の良い頭を撫でた
「…何お前 もしかして 俺が
ずっと 目 覚まさないかもとか思ったの⁇」
顔を上げたリエーフは 間抜け面そのもので
何だか胸の辺りが暖かくなった
「…う…っ…や… 夜久さ… 夜久さーん‼︎」
勢い良く抱き着かれて 正直苦しかったけど
俺はそのままポンポンと
落ち着く様に背中を摩った
「何だよ… 大袈裟な奴…」
うっ…うっ…と
声を押し殺して泣いているリエーフは久しぶりに
こういう所は可愛いんだよな…
なんて 俺に思わせてくれていた
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