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千秋楽には 2
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ともさんは「ま、頑張れよ」と軽く言うと、楽屋を出ていってしまった。
ともさんに、みっともない姿は見せられない。
俺は改めて背伸びをして、気合いを入れ直す。
もう細かい所まで覚えてしまった、ボロボロの台本を再度めくってみる。
細かい指示をメモしてあって、1つ1つ自分がクリアしてきた証拠だと思うと、自信に繋がった。
メイクを終えて、衣装を着込む。
向かい側には、雪弥さんも同じように衣装の準備に入っていた。
「いよいよ、千秋楽来ちゃいましたね」
「そうだね、何かすっごくドキドキしてるし、ワクワクもしてる」
「全部出し切って、悔いが残らないようにしなきゃって思うと、不安もちょっとあります」
「舞台に全部置いて来るんだよ、真都くんなら大丈夫だよ。今、自分の中にある熱量を全部舞台に曝け出すんだ」
「はいっ!」
雪弥さんの声が優しく響く。
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