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仕事終わり 3
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「じゃあ、俺これから事務所行くから。手帳、ありがとね」
「いえ、すぐに渡せて良かったです。お疲れ様です」
頭を下げる皆橋さんに、少しくすぐったい思いをしながら、俺は改めて進行方向に向き直って事務所を目指す。
後輩が出来るってこういう感覚なのかな…
次の瞬間、ぐいと腕を引っ張られる感触。
えっ
なに…?
強引に振り返らされ、視界の中には、見知った人。
今、一番会いたくなかった人。
「雪弥さん…!?」
「驚かせてごめん…ちょうど真都くんがビルから出てくるの見えたから。つい」
「そう、ですか…。えっと、もう二日酔いは大丈夫ですか?」
俺が尋ねると雪弥さんはにっこり笑って頷いてみせる。
「もう平気、ありがとう」
「雪弥さんは…?今、帰りなんですか?」
「うん、ちょっとショッピングして来たところ。真都くんは、仕事終わりだった?」
何となく自分でも会話がぎこちないのが分かる。
予想外の出来事に、飛び上がる程嬉しいのに、それ以上に動揺している。
「あ…はい。今から事務所に顔出すところです」
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