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弓道部の基本【榎月】*02
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高等部に入ってから始めたにも関わらず、櫻井 陽葵は一年で頭角を表し、二年でその才を認められ、三年で部長に指名された優秀な射手だ。
調子の良い時は、的中率も私とあまり変わらない。
「えっと、確か龍雲さんとは今年から同じクラスでしたよね?まだ慣れていなくて済みません。櫻井 陽葵です。及ばずながら、僕も出来る範囲でお手伝いさせて頂きます。よろしくお願いします。」
「僕は…その…こちらこそ、よろしくお願いします…」
それに、ちなはさんに負けず劣らず大人しく謙虚な性格のようで、深々と頭を下げ、何度もちなはさんと頭の下げ合いに発展した。
それでも、ちなはさんの人見知りスキルがきっちり発動しているのか人が増え始めると、やや、私の影に隠れて事の成り行きを静かに見守る。
「櫻井部長、私は暫く一年とちなはさんの射法八節の練習を見ますので、隅をお借りしますね。」
「はい、よろしくお願いします。」
他の部員の邪魔にならないように、端に移動すると練習を始めた。
ちなはさんたちが私の動きを真似ていく。
そこで改めて、ちなはさんは弓道に向いていると思った。
弓道に必要なのは、集中力と忍耐力。
黙々と同じ作業が出来て、素直で謙虚なのが好ましい。
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