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弓道の基本【榎月】*03
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お昼まで練習を続け、午後からのメンバーと交代するように帰りの挨拶に回る。
「櫻井部長、今日も午後から予定がありまして、このまま帰らせて頂きます。済みませんが、後をお願いしてもよろしいですか?」
「はい、やっておきます。お疲れ様でした。」
ちなはさんも私に続いて挨拶をすると、制服に着替えて一緒に道場を後にした。
心と技を一体とし、内面の価値を高め、 人生を深く豊かなものにする為に弓道は高い指標『真・善・美』を掲げている。
「どうですか?やってみて。続けられそうですか?」
「…うん。」
『礼節』を大切にし、『相手を慈しむ』事こそ、弓道の基本精神。
「弓って、いつも持ち歩くの?」
「基本、いつも道場に置いています。試合や大会、審査の前日、または外部の指導者や監督の私設道場で練習する時などは持ち帰ります。替え弦を作ったり、握り革を交換したり、矢の筈の交換、または、汚れを拭いたり、道具の手入れは自宅で行った方が練習時間の妨げにならないので…」
分解した弓を持ち帰る私を見て、興味深そうにちなはさんが耳を傾けた。
「備え付けの弓がありますから、自分専用が欲しくなるまでは貸し出しの弓を使って下さい。」
「会長サマのは、専用?」
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