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性少年【榎月】*01
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「…誰?」
中途半端に投げ出された体を隠そうともせず、彼はぼんやりと気怠そうに私を見上げた。
突き飛ばされて倉庫の壁にぶつかったのか、背を預けてその場に座り込んでいる。
絡まれている生徒がいると聞いて、駆け付けてみれば…
「…また、あなたですか。龍雲 ちなはさん。」
私は、立秋 榎月(りっしゅう かつき)
この高等部の生徒会役員であり、風紀を取り締まる風紀委員会の一人。
『一人は万人の為に、万人は一人の為に』
生徒たちの自主性を高める方針の自由な校風で、その管理を任されている。
『生徒会役員』とは、成績は勿論の事、周りからの信頼度や適性を認められた者にしかなれないのは言うまでもない。
そして、私の胸には『会長』を務めるバッジが光っていた。
「…あんたが来て台無しだけどね。会長サマって、ヒマなの?」
彼は、龍雲(りゅううん)ちなは。
世界でも数例しか報告されていない類い稀な男女の異性一卵性双子児で、今までは特に目立った行動もなく、真面目で大人しい性格だったが…
いつからか、問題を起こし始めた。
「…残念ながら、目の前にはあなたのような問題児がいますので。」
お陰でゆっくりと昼食を取れた試しがない。
「ふふっ、それは大変だね…」
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