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TruthⅠ
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(夜鶴side)
「出て行って下さい……」
母さんがそう言うと、
父さんは渋々家から出て行った。
「もう大丈夫よ………
多鶴……出ておいで…………」
そう言ってもさっき出て行った
先生は出てくるはずがない。
「ふぅ………多鶴〜!どこ〜?」
母さんは大声でそう言い始めた。
そして耳打ちで
俺にもやれと言ってきた。
「先生!!どこですか〜?」
しばらく繰り返すと、
リビングの扉が開いた。
そこにはボロボロになった先生が居た。
「多鶴………」
母さんはそのまま先生に抱き付き、
先生はそれに安心したのか泣きだした。
「先生、母さん、どういう事?」
2人共落ち着いた頃に、
俺がそう聞くと母さんは
困った顔をした。
「夜鶴さん……
貴方から父親を奪ったのは私です」
先生は真剣な面持ちで話し始めた。
「少しばかり鈴さんは席を
外したほうがいいのでは?」
「ううん、大丈夫よ……
貴方の苦痛に比べれば……」
母さんに先生は、
そう確認し、
ぽつりぽつり先生は話し始めた。
「始めに家族構成について
話しておいたほうが楽ですね……
さっきの人は私とそして夜鶴さんの
本物の父親です…………
ですが鈴さんと
私は血が繋がっていません………」
「やっぱりさっき父さんが
言っていた通り多鶴さんって
先生だったんですね」
「そうですね………
鈴さんとの出会いは、
浮気が激し過ぎたあの人のせいで
精神が崩壊した
母親に殺されかけた時です……」
いきなり話が凄過ぎた。
「えっ?てか母さんと
その人ってどんな関係だったの?」
普通、家に出入り出来るわけ無い…
「そうね………
幼馴染みっていうのかしら……
と言うかその時、
あの子家に放火したのよ……」
「そしてその母に付けられたのが
先程の刺青や火傷、切傷に痣……
蠍の刺青は復讐や憎悪の
意味があるんです…………
母はあの人に向けて憎悪を
私に埋め込んだんです………」
「女って怖いわよね……
あの子、その火事で死んでるから
もう虐待とかで訴えられないのよ」
「そんな……!?
ここまでの傷を残しているのに……」
「だけど当初は
ここまで酷くなかった……」
「えっ?」
「父さんが何故、捕まったのか……
それはね、多鶴に
肉体的暴力、精神的暴力……
そして性的暴力を与えた事よ……」
「えっ………」
「私が見つけてなかったら、
きっと多鶴は黙って独りで抱え込む…
その事を知っているあの人は、
夜鶴にまで手を出していたはず…」
「でも、あそこまでなったのは
僕のせいでもあるんですよ………」
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