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潤の欲しいもの 8
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「故意に騙していたかは、わからないけれどさ」
瑶が潤の機嫌をうかがって、日和って、つけたすと、潤は、あっさり否定した。
「故意なんだろ。愛情のやりとりで繋ぎとめられないから、性愛の仮面をかぶった、性虐待という支配で俺を繋ぎとめて、自分の傷の痛みや、自己との断絶による孤独感を、麻痺させようとしている」
「自己との断絶による孤独感」
瑶は潤の言葉を繰り返した。
「そう。叔父様もまた、閉じ込めらてているんだ。閉じ込められているから、俺を引きずり込もうとする」
「きっと、そうだね。おじ様も、孤独に閉じ込められている」
「自分の感覚と断絶してる、自分と繋がっていない感じ。激しい行為、強烈な刺激でないと、感覚を感じられない。解離しているから」
「ああ、それで、さっきの行為も」
「うん。俺は解離してたと思う。だから、あんな行為を」
「いつから解離していたの?」
「いつだろう。わからない」
「ひょっとして、おじ様を刺した時も、解離してた?」
「叔父様を刺した? 叔父様じゃなくて、父様だよ。いくつの時だっけ? 父様が死んだのって、いつだっけ?」
潤は、混乱しているようだった。
「ごめん、いつとかいう質問、苦手なんだ。記憶を、時系列に並べることが、難しいんだ。いろんなことが、同時に、ごちゃごちゃにあって。いつとか言われると、わからないから、苦しい」
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