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自己欺瞞 2
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授業が終わると、瑶は潤に声をかけた。
「潤は、お見舞いに行くんだよね?」
「あ、そうだ、忘れてた。あ、譲兄さんからメール来てた。夏目先生と会うから、迎えに行けないって」
「へえー。ちょうどよかった。潤と話したかったから」
「じゃ、いっしょに帰りながら話そうか?」
「うん」
瑶と潤は、帰り支度をして、教室から出た。
昇降口を出たあたりで、潤が尋ねた。
「話しって何?」
「あのさ、藤木さんも被害者?」
「文化祭の時の?」
「うん」
「俺と無理やりさせられたから被害者だね」
「そうなんだ……」
「文化祭実行委員の会議室で……当時の三年生に、二年だった藤木さんと一年の女装した俺とやれって言われた。二人とも、ほかの人たちに身体触りまくられて」
瑶は、話しを聞いていて、勃ってきてしまった。
「あ、詳しくは、いいよ」
「ごめんね、黙ってて」
「ううん。全然。なんで潤が謝るの?」
「誤解させたから」
「ああ、潤が、藤木さんに、ナンパされてるのかと思ってたからね」
「そうじゃなかったんだ。心配されてた。でも、心配されたくなかった。自己欺瞞だよ。だから、瑤が、『いいかげんにしろよ』って叫んだのは正しい」
「自己欺瞞……ああ、そうだね。僕、自己欺瞞には、我慢がならないんだ。だからって、もうちょっと優しい言い方があるだろうと反省」
「いや、頭にきたんだろう? 俺の自己欺瞞に」
「わかってるの? わかってないの? 潤は、自分の自己欺瞞を」
「わかってる。わかってるからイライラするし、苦しいんだ。なのに、どうすることもできない」
「味方が少なくて敵が強大なら、我慢するしかないもんね」
「我慢なんてもういやだ!」
「我慢してたの?」
「してたよ。してたから、つらさを紛らわすために、エッチしてたんだもん」
「僕も我慢したくなーい」
瑶は、潤の腕に、つかまった。
「おいおい、大胆だな、おい」
「あははっ」
瑶は潤と腕をからませて、手の平を合わせて、手の指と指を互い違いに組んでぎゅっとした。
「あー……」
潤が変な声を出した。
「どしたの?」
「それ気持ちいい」
「手つないでるだけだよ?」
「指組んでるし、腕からんでるし、あぁ……」
「どうしちゃったの潤」
瑶は、童貞化した潤を笑った。
「瑤に腕組まれたのも、よかった」
「こう?」
瑶は、腕を組んだ。
「あー、それもいい……」
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