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新しい職場 1
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「やぁ、よくきてくれたね、久しぶり。名古屋支店へようこそ」
営業二課にたどり着き、席に着座すると、すぐに明るい口調で僕に声をかけて迎えてくれたのは、名古屋支店営業一課の課長である、坂下さんだ。
僕が新人の頃に、東京支店でお世話になった先輩でもある。
「お久しぶりです。坂下さん。これからまた宜しくお願いします」
軽く頭を下げると、坂下さんは営業用の笑顔から、見慣れた先輩らしい笑顔を見せた。
「ま、堅苦しい挨拶はこんなもんか。本当久しぶりだよな。俺が東京出張の時はたまに顔見てたけど」
「最後に顔を見たのは、半年前くらいな気がします」
「だよな、これから課は違うけど、同じフロアだし、毎日のように顔合わせるから、宜しくな。たまには飲みにも行こう。とは言ってもうち今度子供産まれるから、なかなか嫁の許可が下りなさそうだけど・・・」
そう言って、目じりを下げながら頭を掻く坂下さん。
「おめでとうございます。また奥さんのご機嫌がいい時に誘ってください。必ず行きますから」
「ありがとな。あ、そうだ。ちょっと先だけど、4月に入ったら、新入社員や、ほかの異動の奴らと併せてで悪いけど、営業部全体での歓迎会予定してるんだわ。多分、代表挨拶お前になると思うから、宜しく頼むわ」
「わかりました」
その後、坂下さんは営業部部長と、営業三課課長の元への挨拶周りを案内してくれた。
そして自分の席に戻り改めて、自分の課の部下になる社員達に挨拶をする。
暖かく迎え入れられ、心底ほっとする。
若干名ではあるけど、年上の部下もいることで、うまくやれるか不安だった気持ちは一瞬で消えていった。
僕は各営業の担当している客先の情報を見せて貰いながら、まずは名古屋の売り上げの傾向を勉強していくことにした。
本社でもある程度の情報は入るけれど、あくまでそれは数字でしかない。
客先情報には数字以外のデータが記載される貴重なものだ。
早く課長として、この部署を引っ張っていかないと。
僕は襟を正して机に向かった。
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