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車中
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唇を支点にして優也さんの熱を体中に伝える。
その熱は心臓に打撃を与えて動けなくした後、からみとるようにじんわり温度を上げてくる。
ゆるやかに開かれた唇の隙間に舌を押し込むと優也さんの舌に迎え入れられて、擦り合わせるように
口の中で絡み合う。
この熱が、僕をだんだんおかしくしている。
もっともっと、と聞き分けの無い子供のように催促する。
息をするのも忘れて、優也さんの舌を舐め続けた。
先端から掬い取って味を確かめるようにじっくり少しずつ絡めて自分の体液と混ぜ合わせる。
全部溶かして取り込んでしまいたい。
噛み付いてしまいそうな衝動にかられて、慌てて唇を離す。
どうしよう。
こんなに欲しいと思うなんて、どうかしてしまったんだろうか。
僕は、まばたきもしないで優也さんを見つめてその姿を目の中に焼き付けようとした。
「そんな顔するなよ。襲いたくなるだろ。」
そんな言葉を呟く唇に目を奪われて、つい自分の唇を押し当てる。
「…おそってください」
意識も曖昧で自分の発している言葉さえよくわからない。
ただ、この人に触れていたい。触れられていたかった。
視界から優也さんが見えなくなって、強い力で体が抱えこまれる。
うなじに熱を感じて目を閉じる。
昨日大きく付けられたアザのような痕はピッタリしたタートルネックで隠してある。その場所を捲られて唇が吸い付いた。
わざとらしいくらいに大きく揺れる体を抱き止めて笑った優也さんが耳許で囁く
「愁は俺のものだ。」
「ごめん、なさい。」
謝りながら口づける。
ごめんなさい、ごめんなさい。
欲しいなんて大それた事思ってごめんなさい。
「謝る事なんか何もない。愁、よく見るんだ。俺は誰だ?」
唇スレスレの所から諭すように話しかけられている。
その吐息からも熱が伝わる。
「優也、さん。」
「そうだ。俺はお前のものだ。」
衝撃的な一言
「優也さんが、僕の、もの?」
「愁は俺のものだから、俺は愁のものだろう?」
甘い声。甘い言葉。
クラクラする。
喜んでいいのかどうかもわからない。
戸惑っていると後部座席に押し倒されるみたいな形で上半身を倒されて抱きしめられた。
鼓動が聞こえる。
自分の?それとも優也さんの?
どっちでもいい。どっちでも、どくどくと波打っている音は心地いい。
「んうっ…」
自分から仕掛けたものより何倍も力強い口づけが落とされる。
唇が強く吸われて、舐め回される、食べられているようなキス。
隙間から逃げ出すように舌を出して反撃するように優也さんの唇を舐めかえす。
下唇にくまなく唾液をまぶして食べるみたいに軽く歯をたてる。
この人を食べてしまいたい。
繰り返し歯をたてている箇所に優也さんの舌が割り込む。そこに舌をあわせるとそのまま口の中に引きずり込まれた。火傷しそうに熱いその口内で、裏も表も舐め尽くされて翻弄される。
「んんっ、ふぅっ、んんっ」
自分の声だと思いたくないような甘い声が出てしまう。
ふっと目を開けると優也さんが柔らかく微笑んでいる。
その瞳に僕が映っていると思うと体が熱くなって。
見られている。
僕が優也さんを欲しがっているその様子を。
優也さんが見ている。
それを、許してもらえるのだ。
こんな幸せな事あるだろうか。
これは、どこからが夢なんだろうか。
ボタンが外されて脇腹に指が触れ、スルスルと胸の突起まで捲り上げられる。
体が期待に震えてびくびくしてしまう。
楽しそうに笑いながら優也さんがその突起に唇を近づける。
ピリリッピリリッ
その音が鳴った瞬間に、優也さんは大きなため息をついて、チッと舌打ちをして携帯を手に取った。
「わかってる。すぐ行く。説明なんかしなくても愁は文句なんか言わない。書類だけ準備しておいてくれ。」
いやいや、ちょっと意味わからないんですけど。文句を言うなってこと?
唖然としている僕を見ながら、自分で捲ったシャツのボタンを1つ1つ留めていく優也さん。
「時間切れだってさ。オアズケだ。夜が待ち遠しい。」
はずかしい気持ちを隠して本音を言えば
本当に待ち遠しい…
希望、期待、願望、とっくに捨てたと思っていた数種類の感情。
もう一度、自分の手に取り戻す事は可能なんだろうか。
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