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真夜中の_3
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「優也さんがいらなくなるまでは、傍においてくれるって約束です。飽きるまでは、一緒にいてくれるんでしょう?」
上目遣いで優也さんを見上げる。
わざとらしいけど身長差があるんだから仕方ない。
「一緒にいたいのは本当に俺か?」
そうじゃなかったらついてこない。
何を聞かれているのかがわからなくて首を傾げてしまう。
僕の気持ちは全部、優也さんに預けてしまっているのに。これ以上どうしたら…
じりじりと挑むような瞳に見下ろされて、本当なら怯える所なんだろうけど
僕はこの瞳を独り占めできているこの瞬間に感動していた。
「優也さん…」
壁に追いつめられたまま、両手を腰に巻き付けて優也さんを近付ける。
そして背伸びをして唇に唇を押し当てた。
だって、何て言ったらいいのかわからない。
目の前に優也さんの唇があれば触れたい。
ただ、それだけ。
「僕を傍に置いてください。」
何がこんなに機嫌を損ねたのかわからない。
僕が何らかの原因なんだろうけど。
身辺調査でどこまで調べられたのか僕にはわからない。
それを知られた事でどんな不利益があるのかも
…
優也さんが聞いてこない以上僕も言わないつもり。
夏彦の事、母さんの事、普通じゃない事…
「見かけによらず強情だな。素直に言えばいい。お前が望めばその通りにしてやれるんだぞ。」
僕の望みなんてたった1つだ。
「優也さんといたいだけ、なのに。」
「…愁、怒らないから正直に言え。」
完全に怒ってる声なんですけど…。
一体何に?
「優也さん、何が知りたいんですか?」
問いかけると、怖い顔をして肩を掴まれた。
そして、溜め息混じりで意味不明な言葉を呟いた。
「愁が一緒にいたいのは、奏介だろう。素直にそう言えばいい…」
…
「はぁぁ?」
何、何、今、何て言いました?
何でここで奏介さん?
スットンキョーな声を出したまま固まって優也さんを見るけど、冗談って感じじゃない。
きっと今、目が飛び出すくらい開いてると思う。
ちょっと待って、さっき何読んでた?夏彦に聞かせたのは…
「優也さん、その身辺調査ちょっと拝見させてください。」
「だめだ。本人に見せる訳には、おいっ」
僕は、拘束を振りほどいて優也さんの鞄にダッシュで駆け寄る。
こんなスピードが出たのはきっと中学生以来だろう。
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