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過去_3
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「どう、して…」
こんな酷い事…
僕と父さんのペット、と言ったからには父親もグルなんだろう。
こんな事、知っていたら祖父はこの人に会わせたりしなかっただろう。
「カオリはさぁ、僕の家族を壊したんだ。父さんは家を捨ててカオリと一緒になりたいと言った。でもそんなの困るよね。僕はまだ小学生だったし父親は必要だ。だから逃げられなくしたんだよ。今はもう正気に戻る事もほとんどないけど、僕は優しいから、ここで一生飼ってやる事にしたのさ。」
薄ら笑いを浮かべて胸くそ悪い話をしていた夏彦が、ふいに無表情になって、しゃがみこんだままの僕に目を向けた。
その視線に狂気を感じて後ずさる。
「でもまさか、子供まで作っていたとはね。ペットが勝手に産んだ子供なんだから野垂れ死んだって関係ないんだけど、カワイソーだから一緒に飼ってやるよ。死ぬまでな。」
そう言うと夏彦はポケットから小瓶を取り出して格子の中に投げ入れた。
彼女は必死な形相で部屋の隅に転がった小瓶を這いつくばって拾いに向かう。
「く、くすり…くすり」
目の前で起きている事が信じられなかった。
とても現実とは思えなくて。
「明日からはオマエが薬を与えるんだ。」
その笑顔が恐ろしくて、言われるままに頷いた。
それを見て冷ややかに笑った夏彦は、格子の鍵を開けて中に入っていった。
畳の上を這う彼女の髪を掴んで上を向かせ、おもむろにズボンのファスナーを降ろした。
「カオリ、薬は仕事が終わってからだろ。」
これから何が行われるのか、経験のない僕にもわかった。
こんな光景、見ていられない。
そう思っていたのに体がカチコチに固まってしまって動けない。
こんなのおかしい。
そう叫びたくても喉の粘膜がくっついたみたいに張り付いて
畳についた両膝から小屋の湿気を吸い込んでいるみたいで気分が悪かった。
ぴちょ、ぐぽ、ぐぽ
そうしている間に彼女の口は夏彦の性器を頬張りながら、身に着けている下着を外していく。
華奢な体に見合った小さめの白い乳房、肋がくっきりと浮き出た体。
長く歩いていないのだろう。足には筋肉が全くなく、ただの棒のようだ。
痩せすぎている事よりも、体中につけられている痣の方が気になった。青紫色が重なって、どす黒くなっている部分も1箇所や2箇所じゃない。
日常的に殴られているんじゃなければ、こんな事にはならないだろう。
人を殴った事も、殴られた事もない僕は唖然としてしまって、目から入る光景が現実じゃないのを祈った。
性行為も暴力も受け入れて、監禁までされて…
僕が産まれてからずっとここに?
どうしてこんな事に…
「かあさん…」
悲しいのか悔しいのか、涙が止まらなかった。
あんなに会いたいと思っていた母親がこんな形で生きていた。
生きていた事を喜ぶべきなんだろうか。
僕を息子とも認識できないで人間として扱われなくなっても、生きていてくれてよかった、と思うべきなんだろうか。
「悔しいだろう?でもオマエには何もできない。助ける事も、オマエが逃げる事もな。」
逃げる…
歩けない人間を抱えて逃げるなんて不可能だ。
どのみち彼女は…
でも、僕だけなら逃げきれるかもしれない。
こんな所にいたら気が狂ってしまう。
浅はかにも逃げ出そうとした僕は、パニックを起こしながら扉に向かって走り出した。
ガチャガチャ
押しても引いても開かない扉を前にして、絶望的な気分になっていると、あざ笑うように鼻で笑う声がする。
「ざーんねん。その扉は、内側からも鍵がないと開かないんだよ。」
振り向くと、彼女を突き飛ばすように四つん這いにさせた夏彦は不気味な笑みを浮かべながら彼女を犯し始めた。
「カオリは母親だなんて自覚もないけどオマエにはあるんだな。」
獣のような声をあげる女性と鬼の交尾
見ているだけで吐き気がする。
あんなに優しく接してくれていた夏彦は、偽物だったんだ。
僕を油断させて地獄に突き落とす為の仮面。
こんな真実、知りたくなかった。
悪い人には気をつけなさい。
繰り返し言われた言葉を思い出す。
あれは、誰の事だったの。
僕を心配して可愛がってくれた祖父母の顔が浮かんでは消える。
もう無理だと、わかってはいても3人で暮らしたあの家に帰りたかった。
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