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『屋上で待ってる』というメールを見て、足早に屋上へ上がった。
速見の見様見真似でドアノブをへし折り扉を開く。すると、少し冷たい風が頬を撫でて抜けて行き、目の前に開けた空が広がった。
「よお、いらっしゃい」
「おー!速見ぃ!」
弁当が入った鞄を掲げて、ドアの隣に腰掛けた速見に笑いかける。
「テンションたけーなぁ」
「ん?そーかぁ?」
何でもない風に笑ったが、本当は自分でも不思議なくらいに気分が高まっている。
だが、それを隠すこともせずに速見の隣へ腰掛ける。すると、何故か速見が少しだけ戸惑うような顔をした気がした。
「速見?」
「あっ、いや・・・」
首を傾げて速見を見て、それが気のせいじゃない事に気付いてドキッとする。
もしかして、昨日あんな事をしたせいで、俺に近づかれるのが嫌になったのか?
不安になって速見を見ると、少し俯いた速見が気まずそうに口を開いた。
「いや、昨日は隣に座るの嫌そうな顔してたのに、随分な変わりようだなーと思って」
「あ、あー・・・」
そう言われれば、そうだ。
確かに昨日の俺は、速見の隣に座るのが嫌で避けてたりしたっけな。
「まぁ、昨日は昨日。今日は今日ってヤツだ」
昨日はなかなか最悪な態度だったな、なんて内心反省しながら、なんでもない風を装いつつ鞄から弁当を二つ取り出した。
「おっ!サンキュー!」
嬉しそうに両手で弁当を受け取ると、早速とばかりに胡座をかいた上で弁当を広げ始めた。
「御要望通り、唐揚げ沢山弁当で御座います」
フフンっと得意げに鼻を鳴らして言う。
毎回のことだが、今日の弁当も最高の出来栄えだ。
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