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三國はズカズカと大股に二人に近付くと、橘の肩を掴んで引っ張り、二人の間に入り速見睨み付けた。
「・・・何」
言葉こそ発さないが、無言で速見を睨み付ける三國にはかなりの凄みがあった。だが、速見もさすが喧嘩慣れしていることだけはある。
三國の剣幕に対して少しも臆することはなく、肩を竦めて見せた。
その速見の態度こそ、何でもない風にしているが、目付きだけは鋭い。
速見と三國の間に、バチバチ火花が散っているのが見えるぞ。
「あ、あのっ、み、ミクちゃん・・・」
どちらかというと、速見より橘の方が三國の剣幕に怯えてるじゃねーか。
そりゃ目の前で不良二人が睨み合っていたらビビるか。
速見もさっさと身を引けばいいのに、売られた喧嘩は買う性分が出ているのか、睨み合いを辞める気配がない。
・・・仕方ない。助け舟でも出してやるか。
「なぁ、そろそろバイト行かなきゃなんないんだけど」
わざと、その殺伐とした雰囲気にそぐわない飄々とした態度で二人の間に割り込んだ。
「喧嘩すんの?なら帰ろうぜ。な、橘」
三國の後ろで子猫みたいにプルプル震えている橘の手を引き、さっさと歩きだそうとしたら、また三國が橘の肩を掴み逆に引き戻した。
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