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「俺、塾でも真面目に勉強するし、ちゃんと成果も出すからさっ」
最後の望みをかけて父さんに訴えていると、マークさんに名前を呼ばれた。
「優希は……私に勉強を教わるのは嫌ですか?」
マークさんは悲しそうに眉を下げて、問いかけてくる。
そうだ……その通り。嫌なんだよ。
けど、正直に言えるほど俺は図太い神経してない。
『俺の事キライ?』
『キライよ!』
『じゃあ、サヨナラだ。……元気でやれよ』
みたいな、男女の修羅場でもなければ、ケンカしている訳でもないのに、相手を否定する言葉は吐けない。
面倒クセェ。
「いや、そうじゃなくてさ、マークさんには仕事があるんだから、俺なんかの為に時間使わせるなんて申し訳ないし、だか…」
「その心配には及びません。むしろ、優希の勉強をみる事で気分転換になって、仕事の疲れも癒やされると思います」
精一杯の言い訳をしている途中で話を遮って、マークさんは安心したように笑顔で答えた。
マークさんを傷付けないように、やんわり断る途中なのに、何故遮る!?
人の話は最後まで聞きましょう、って習わなかったのかよ!
「ライアンさんも、ああ言ってくれている事だし、この際、遠慮せず教えてもらえ」
遠慮させて!むしろ、丁重にお断りしたいところだ!
赤ら顔でニコニコ笑う父さんが、こんなに憎らしかった事って未だかつてない。
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