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次の日から、俺への対応が変わった
誰も指図する奴もいないし、掃除もしなくていい
勿論、食事の時もそうだ
この監獄で漸く安らげる場所を見つけたんだ
俺は氷龍の膝に座り、外の景色を見つめていた
「翔」
「何?」
「仕返しはしなくてもいいのか?」
「仕返しか・・・」
確かにまだ憎しみを抱えていた
「ああ」
「そうだな・・・俺と同じ痛みを味あわせてあげたい」
「成程」
そう言うと、氷龍が刑務官を呼んで何か耳打ちをしていた
そして・・・・・
「153番、208番、568番、出ろ!」
首を傾げながら部屋を出て行った3人
氷龍は黙って俺の頭を撫でていた
「翔」
「んっ・・・つ」
誰もいない部屋でキスを繰り返し、あいつらの帰りを待つ事にした
「戻ってきたな」
「えっ?」
そしてボロボロになった3人が投げ込まれるようにして部屋に入れられた
ズボンには血のようなシミがついていた
「どうだ,犯された気分は」
「ううっ・・・・・」
「よかったらしいな」
「ひぃ!」
床に蹲るやつらを見て、俺の何かが弾け飛んだ
「いい格好だね・・・でも臭くて敵わないな」
「ぎゃ!」
思い切り蹴飛ばしながら微笑み、また膝の上に座った
氷龍は俺の髪を撫でながら、そいつらを見つめていた
「何か言う言葉は無いの?」
「ううっ・・・・ごめんなさい・・・」
「ふん」
「もう許すのか?」
「まさかでしょ?」
ボールペンを手に取り、蹲る奴の手を持ち上げた
そして
「ぎゃーーー!」
「まだ一枚しか剥ぎ取ってないんだけど」
「許して・・・」
「嫌だね」
泣き叫ぶ男達の爪を全部はがし、ボールペンを太ももに突き刺した
「ぎゃ!!」
「返しておくね」
「ううっ・・・っ」
氷龍が立ち上がり、そのボールペンを踏みつけた
「ぎゃああーー!」
「ここまでしないのか?」
「忘れてた」
そんな会話をしながら微笑み、しばらく血だらけの3人を見つめながら笑った
そして・・・
「新入りだ!・・・・・これは」
「何かあったのか?」
「い、いや・・・入れ」
新しい男が部屋の中に入って、3人を見つめていた
「あははっー!クレイジーだぜ!!」
こいつもクレイジーだけどね
「誰がやったの?君じゃないよね?」
頭を押さえながら言った
「翔に触るな」
「へぇ、翔って言うんだ・・・よろしく!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれれ?お人形なのかな?」
「うるさいよ」
「はいはい、わかりましたよ」
何なんだこいつは
血だらけの人間を見ても動じないなんて
「ちょっとごめんね~」
「ぎゃ!」
血だらけの指を踏みながら、ロッカーに荷物を入れていた
特別、害は無さそうだ
「俺はどこで寝ればいいのかな?」
「好きにすればいい」
「んじゃ、隅に」
「廊下側だよ」
「オッケー!邪魔!」
今度は蹴飛ばして隅に移動した
「彼を知ってる?」
「いや」
「おかしな人だね」
「気にするな」
「うん」
そして夕食の時間になり、俺は氷龍に連れられて別の部屋に向かった
「えっ?」
「好きなだけ食べろ」
「すごい」
部屋は狭かったけど、テーブルにはたくさんの料理が並んでいた
久しぶりのご馳走に嬉しくて急いで食べたらむせてしまった
「ゆっくり食べろ」
「うん」
氷龍はタバコを吸っていた
灰皿もあった
「氷龍って・・・」
「何だ」
「何でもない」
下手に詮索しない方がいいと思った
どうして特別扱いなのか・・・知りたいけど聞けなかった
食事の後、綺麗なシャワー室に連れて行かれた
久しぶりにゆっくりシャワーを浴びられるのが嬉しかった
俺が先に入り、その後氷龍がシャワーを浴びた
そしていつもの部屋に戻ると、まだ血だらけで蹲っていた
「汚いな・・・掃除しろよ」
「でも、指が」
「指?あのさ~、お前達は俺が血だらけになって許しを請っても無視だったよね?」
「それは」
「早くしろよ」
「ぎゃぁ!」
指を踏みつけて冷たい視線で見つめた
「お前達の血なんか見たくないんだよね、早くして」
「は、はい」
しばらく掃除する姿を見つめ、新入りに視線を向けた
全く気にしていない
「ねぇ」
「俺?」
「名前は?」
「382番」
「名前だよ」
「ああ、葵だ」
「葵・・・」
何だろう
こいつは憎めない
そんな気がした
漸く就寝時間になり、俺は氷龍と同じ布団で眠った
うめき声は夜中まで続いていてうるさかった
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