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部屋に戻り、楓を見つめた
何事も無かったかのように、湊と会話していた
やはり楓では無かったのかな
少し残念がる自分にイラついた
「翔、話を聞け」
「うるさいよ?今更話なんて無いんだけど」
「俺はある」
「俺に構っていないで隣で嬉しそうに笑っている奴を構えよ」
「こいつはどうでもいい」
「は?よく言うよ・・・毎日お盛ん過ぎて部屋の中が臭くて敵わないんだけど」
「それは」
「弁解なら聞き飽きた、もう話しかけるな」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
愛していると思っていた人が今はこんなにも憎くて仕方が無い
「そうですよね・・・氷龍は痛めつけるのが大好きですから、翔の体では満足出来ませんよね」
「黙れ」
「ふふっ」
二人を無視して、本を読み始めた
綺麗な恋愛なんて存在するのか?
それすらもわからない
「楓、もっと面白い本無いの?」
「困った子」
「だってぇ~」
イラつく
いや、イラつくのがおかしいんだ
そう言えば、湊が来てから楓は遊んでいない
やはり本気なのか?
どうでもいいね・・・・どうでも・・・いいんだ
「なぁ、翔」
「何」
「いや・・・機嫌が悪そうだからさ」
「別に」
「そうか」
葵は相変わらず話しかけて来る
これと言って大した話題ではない
葵と話をしている時も、楓と湊は仲良く話をしていた
聞きたくないけど聞こえてくる
湊の甘えた話し声
それに答える楓の優しい声
「カードでもしないか?」
「カード?」
「ああ、暇だろ?」
「まぁね」
俺は葵の話に乗る事にした
少しは気が紛れるかも知れないしね
「ポーカーでいいか?」
「うん、何を賭けるの?」
「そうだな・・・負けたら質問に素直に答えるってのはどうだ?」
「別にいいけど」
「オッケー、やろう」
「うん」
どうせどうでもいい質問だろうし、その賭けに乗った
「はい、俺の勝ちだ」
「だね」
「じゃ・・・質問!」
「うん」
「翔の好みのタイプは?」
「好みか・・・特に無い」
「ダメだ!」
「ん・・・ありきたりだけど好きになった人がタイプ」
「オッケー」
そしてまたカードを配り始めた
そして
「また俺の勝ちだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
すごく強い
俺でも勝てないなんて
「じゃ、質問」
「うん」
「今まで、そのタイプの人に巡り合いましたか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どした?」
「そうだね・・・巡り合ったよ」
「オッケー!次だ」
もうやめたい
きっと勝てない
でも、カードはもう配られていた
「はい、また俺の勝ちだ」
「強いね」
「翔は顔に出るからな~」
「えっ・・・・」
そうだったんだ
「じゃ、質問!その巡り合った人を今でも愛していますか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ん?」
「どうかな」
「答えになってないな~」
「どちらにせよ、もう俺の事なんか好きではないと思うよ」
「と言う事はまだ愛してるんだな」
「・・・・・・・・・・・・・・・かもね」
「オッケー!次だ」
「もうやめよう」
「じゃ、これでラスト」
「・・・・・・・・・・・・・・」
配られたカードが俺の本心を暴き出す
「悪いな、俺の勝ちだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「最後の質問」
「うん」
「その人が今でも待っているとしたらどうしますか?」
「待っていないよ」
「例えばの話だ」
「そうだな・・・二人で静かに暮らしたい・・・全て忘れて」
「成程!」
「もういいだろ?」
「ああ、またやろうな」
「うん」
俺は葵の質問を楓に当てはめながら答えていた
今更遅いのに、ホント馬鹿すぎるよね
「クスッ」
「何だ」
「どうやら翔の質問の相手は氷龍では無さそうですね」
「・・・・・・・・・・・・」
「図星」
「黙れ」
「私の勘では・・・彼ではないかと」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さすが氷龍、おわかりでしたか?」
「いい加減にしろ」
「とても面白いですね・・・面白くて久しぶりに笑えそうです」
「殺すぞ」
「翔の相手が彼だとしたら・・・勝ち目はありませんね」
「何故そう思うんだ」
「だって・・・彼の視線は常に翔を追っていますから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「気付かれないようにですけれど」
「まさか」
「と言う事は両思いと言う事ですよね?ふふっ・・・本当に面白い」
「黙れ」
翔はまだ楓の事を思っているのか?
俺を愛してると言った言葉は全て嘘だったのか?
確かに騙されてやるとは言った
でも、翔の心は少しずつ俺に傾いていると確信したのに
「私とやらなければ貴方と両思いだったかも知れませんけど・・・もう遅いですね」
「貴様・・・」
「ダメですよ?誘惑に負けては・・・ふふっ」
「ここで死ぬか?」
「私が心でも彼の心はもう取り戻せませんよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「残念ですね」
確かに俺が悪い
翔を裏切った事実は消えない
もう翔が戻らないのなら・・・俺は
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