アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
予期せぬ出来事 2
-
一昨日から今日まで、いろんなことがあった。いろいろというよりも、日坂と一緒に過ごせたという表現の方が適切なのかもしれない。俺の家で俺の部屋に日坂がいて、俺と一緒に俺が作ったご飯を食べた。日坂を送ってから自分の家への帰り道が、とてつもなく寂しかった。
今までにこんな思いをしたことがあっただろうか?
いつも、ひとりでいることが楽だと思っていた。誰にも気を使わずに、のびのびといることができるのだと。
その世界には誰もいなくて、楽しいという感情もわからなくて。
突如現れた日坂という人物が、俺のテリトリーにずかずかと入って来たその日から、人といる意味を知った気がする。問いかければ、返ってくる。面白いことがあったときも、一緒に笑ってくれる人がいる。
笑っていいんだ。
そう思える。
ひとりで楽しいと思うこともなかったが、二人でいればその感情が湧き出てくる。
ころころと変わる表情。
日坂の笑った顔、ぼんやりと俺を見つめる目、赤くなる頬。
友達という存在を超えた、愛しい人。
「はあ……」
玄関の扉を閉めた途端に気が緩んでしゃがんでしまう。
顔が、熱い。
この数日間、日坂の前でまともに接することができただろうか?
テスト勉強をする時だって、自分を抑えるので必死だった。問題も、本当はもっとわかりやすいものを作ってやりたかった。だが、アイツの首元を見ると何とも言えない感情が迫ってきて、大変だった。ずっと、キスをしたい衝動を押さえていた。
「何をやってんだか」
玄関から立ち上がり、ベランダへと向かう。火照った頬を覚ましたい。
”ガラ”
「……」
そこには、水に濡れていた布団があった。
のぼせきった日坂は、いつにもましてエロかった。とろんとしたとろけそうな表情を向けられたあの時、理性が飛んでしまったことを思い出してしまう。
ははっ
これじゃ、余計に熱くなっただけだ。
日坂とずっといたのに、もう会いたくなっている自分がいた。
『へー、”日坂”ねー。おれは”翔”と昔よく遊んでた中村和希。大学生だ。よろしく。』
嫌な人を思い出した。さっきあったばかりの人物だ。あの人は一体何者なんだろうか。日坂を名前で呼んでいた。しかも、すごく親しげに日坂の頭をなでていた。日坂も気持ちよさそうにしていたし。昔一緒に遊んでいたと言っていたな。
なんでだろうか、モヤモヤする。
外の冷たい風が、熱を持った頬を覚ます。
あれ? 俺ってこんな奴だったっけ?
人に対して興味すらなかったはずの俺が、日坂のことばかり考えている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
100 / 130