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俺×童島くんとデート
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映画はデートだし恋愛モノ…………なんて二人して気に入らず、話題のアクション映画である。
俺個人としてはサスペンスホラー系が好きなのだが今日は童島くんのための一日である、彼の要望に合わせた。俺も嫌いじゃないしね。
「いや~~~っ、すごかったっすね!!! 」
「大迫力だったねー。」
「スタントマンなしとか、マジありえねー!流石っすね、レッドス・リー!!!」
興奮冷めやらぬと言った状態ではしゃいでいる童島くん。
こうして見るとただの高校生にしか見えない。純粋で底抜けに明るくて、まさに未来ある若者、って感じ。
「いい時間だし、ご飯食べよっか。」
「はい!」
「ガッツリがいい?」
「いや、さっきポップコーンも食べたんで軽くでいいっす」
「じゃーカフェでも入るか」
「はい!」
カフェに入ると視線を感じる。
うーん、悪い気はしないけど少し威圧感を感じる。
少し奥のほうに案内してもらって、腰を落ち着かせる。
視線はまだ注がれている。
男が二人でこんなところにいるってこと、さらに例の薬の効果もあるだろう。
思わずため息が出て、それに童島くんがピクリと反応する。
決して童島くんが悪い訳ではない。こんなカフェに誘ったのは俺なんだし。それを伝えようともなんだかわざとらしい気もして、口篭る。
「……館上さん、」
ポツリ、と呼びかけられる。
俺が返事をする前に、童島くんが続ける。
「オレ、館上さんに迷惑かけてばっかりで。短気だから、すぐ手ェでるし、口も荒っぽいし……バカだし、館上さんの隣にいるのが、少し情けなくて。こうやってうじうじ悩んでるのも嫌で、」
「……童島、くん」
「オレ、高校出たらどうすっかとかも考えてなかったし、考えるつもりもなかったっつーか。でもそれじゃ、ダメだと思って。だからちょっと、マジメになろうかなって」
「……」
「オレ、頑張って館上さんがとなりいて恥ずかしくないヤツになるんで。だから、その……なんつーか……それだけです」
「……うん、そっか。ありがとう」
「な、なんで館上さんが礼言うんスか」
「んー、なんかね。言いたくなったんだよ」
自分が誰かの成長を促した、と錯覚しそうな。
誰かの支えになれたような、そんな感覚。
今まで自分しか見えてなかった俺に、なんだかくすぐったい感覚だった。
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