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kiss #3 side Y
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長いキスの後、冬真から離れると、ゆっくりと瞳を開いて、あの綺麗なアンバーの瞳がこちらを見ていた。
「綺麗だよ...」
冬真の少しだけクセのある、ふわりとした柔らかい髪を梳きながら言うと、
「それって...褒められてる?喜んでいいの?」
冬真はクスっと笑って言った。
「もちろんだよ!何でそんなこと言うの?」
「だって...普通は男に使わないでしょ?『綺麗』って言葉...」
「仕方ねーじゃん!冬真は綺麗で、かわいいんだからさっ。事実を言っているまでだよ!」
本心を言ったものの、よく考えれば、相当ストレートな愛情表現をしたことに気付き、ちょっと恥ずかしくなった。それを隠すように、少し不貞腐れてそう言うと、冬真はアンバーの瞳を潤ませ、頬を朱に染めながら言った。
「ありがとう...ございます...」
その姿を見てしまった俺は...もう...冬真を手放せない。
「もう一度...もう一度だけ...いい?」
「うん......」
ただ、唇を啄むだけのキス......これがファーストキスの冬真には、応えるだけで精一杯だろう。だから…これ以上の事は今日は辞めておこう。そう、心に決める。
もう一度...長いキスをした...
それから、冬真を抱き起こし、彼の冷たい両手を握りながら俺は言う。
「冬真......
ずっとずっと大切にする...
ずっとずっと守り続ける...
そして...絶対...絶対に幸せにするから...」
「いい…の?」
「当たり前だろ!冬真はいいの?もう...友達には戻れないよ?」
「うん......」
「お前の中の『優しい葉祐君』は、いなくなっちゃうかもしれないよ?俺...昨日、初めて気が付いたんだけど...意外に独占欲...強いみたいだから...カッコ悪いとこばかり見せちゃうかもしれないよ?」
「どうして?」
「俺さ、昨日...修くんに嫉妬した。器が小せーよなぁ...ホント情けねぇ...」
「そうだったんだ...俺こそ迷惑掛けると思う。何も知らないし...体も心も...丈夫じゃない。葉祐君...きっと苦労すると思う。それでもいい?」
「俺は冬真がいいの!冬真じゃなきゃダメなの!これから俺達には、たくさんの障害や乗り越えなければいけないことばかりが待ち受けてると思う。でも...二人で頑張って乗り越えよう!冬真はどんな些細なことでもいいから、自分の気持ちを俺に伝えて!それと...もう...一人で泣かないで。苦しまないで...分かった?」
「うん...ありがとう...嬉しい......」
冬真の色気が一気に溢れ出してきた...
「わーっ!そんな顔で見つめるなよ。また離せなくなるだろ。お前、明日、唇腫れちゃうよ?キスのし過ぎで...」
「そんなこと言うなら...葉祐君も条件一緒じゃない...それにね...」
「それに?」
「臨むところです...葉祐君...」
冬真は綺麗に微笑んで...
今度は...冬真からキスをしてくれた。
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