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七夕 2015-3
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柚木に連絡を入れておこうとスマホを取りにベッドルームへ戻ると、後ろから聞き覚えのある声で、世界でただ一人しか呼ばないあだ名で名前を呼ばれた。
「しー...?」
「れい...っ?」
瞬間的に振り返った獅琉はその声の主を見て目を見開く。
「僕...大きくなったの...!」
「え...、は...?」
そこにいたのは麗にそっくりで真っ白な髪に真っ白な肌、真っ赤な瞳をもつ綺麗な青年だった。
嬉しそうににこにことしていたその青年は獅琉が驚いているのを見て不思議そうに首を傾げた。
「しー?どうしたの?」
どうしたの、じゃなくて...
「お前...誰だよ...」
「れい、だよ?」
「いやいや、おかしいだろ」
「どうして?」
「俺の麗はもっと...」
そこまで言ったところで獅琉は口を噤んだ。
「...なんで...?ぼく...っ」
少年の眉がへにゃりと下がり、瞳にはみるみるうちに涙が滲んでゆく。
「ぼく...っ、れい...だも...っ」
ああ、コイツは...
「...麗」
考えるよりも先に体が動いていた。
麗の元へと歩いて細い体を抱き寄せる。
「ごめん、すぐ気付かなくて」
「ううぅ...っ」
どういう理由かは分からないが、一気に成長してしまったらしい麗。
20cmほど身長が高くなり、声も少し低くなっている。
でもこの泣き虫は、完全にうちの麗だな、と獅琉は苦笑した。
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