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君の話を聴こうか、[島田]
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ぼんやりと、まだ温い風を吹き出す冷房を見る。暑いな…、汗の滲みたシャツのボタンを外し始める指。何だよ、シマダの説明を聞く気なんてないのか。馬鹿らしくなって僕は口を閉じた。
当たり前みたいに制服のズボンを下される。やっと出始めた涼しい風が、僕の脚と開いたシャツの下の肌を撫でて行く。
無言のまま進む行為。そもそも、彼は僕をどっちだと思っているのか。やっぱり、紅葉ともこんな事をしてるのかもしれない。だったら納得出来る、こんなに怒り任せに身体を求めても許される関係ってやつ。
「…あ、」
胸に触れる手、熱い手の平は初めての時と同じく慣れた手付きで感じる場所を探る。僕の身体は前回よりも、その指先に敏感だった。
「ぅ、…ん、」
外の熱気にやられていたのか、胸を這う熱い舌がそこを押して舐め、くちゅと温かく濡れた口で吸われると痺れてぼうっとなる。自分のか能戸さんのか、もしくは互いのものか、汗の匂いに気付いたけどそれを嫌だと思わない。本当イかれてる。
「はっ、…ぁ、」
またあのしつこいキス。口の中を探り、下半身に触れてくる。で、ハッとした。ここで止めないと、僕が楓だって教えるべきだ。もし能戸さんと紅葉が付き合ってるんなら…もうあんなふうに紅葉を泣かせたくない。
唇が離れるタイミングを待つ、早く、早く、…しつこいんだよ!
バシバシと背中を叩く。服越しでも伝わる細くても鍛えてある体、その背中のラインの感触を知っている。あの日の記憶なんて、今思い出すなよ。
「ちょ、…と、…離せ、」
「何?」
「僕は楓だ、紅葉じゃない。」
「知ってる。」
素っ気なく言って、また続きを始めようとする。知ってるって本当に?僕達の見分けが付くとでも?
「ちょっと、ちゃんと聞けよ。紅葉ともこんな事をしてんの?適当に返事しないで答えろよ。」
「はぁ…、何でそこで紅葉が出てくるんだ、お前が楓だって事は分かってるよ。それに紅葉とはただの友達。」
それが仮に本当なら、この行為をする意味が分からない。いや、前回だってよく分からなかった。
「僕が楓だって分かってるなら退けよ、こんな行為する必要ないだろ。あんたと僕はそんな関係じゃない。」
「ふうん、必要ないし関係ないって?ああ、そうか島田って奴のせいか。中々会えないと思ったらいつの間にそんな奴作ってんの、しかも毎日会いたい程好きだって?」
「…いつからあのコンビニに居たんだよ、」
「最初から、後から入って来たのはそっち。」
「あのコンビニはうちの近くだろ。あんたの家から離れてる。」
もしかしたらとか、何でこんなに確認したくなるんだろ。
「楓を待ってたんだよ。このくそ暑い中、時間作って待ってる俺の身にもなれ。もうあのコンビニの常連だっつの。」
「はあ?何勝手な事言ってんだ。待っててくれとか言ってないし、約束もしてないだろ。」
「約束とかしたら、お前は逃げるだろ。携帯番号だって簡単に教える訳ない。だから地道にやってんだよ。」
呆れる。何だよ、約束してみればいいだろ、携帯番号だって聞いてみればいいのに。
「馬鹿…?」
「あ?まあお前に比べれば馬鹿だろ…それより島田とは付き合ってんの?」
それ猫だし、島田ナントカって人間じゃないけど?
「付き合ってない。」
「毎日会って、一緒に寝て、好きなのに?」
「そう。」
もう、腹立つから暫く勘違いさせたままにしとこう。この人って、こんなに綺麗な顔してんのに中身がな…如何してこうなってんのか。
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