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今までにないくらい、胸が張り裂けそうだった。
男女構わず食べる猛獣とか言われているけど、蓮は男と付き合った事もないし、告白した事もない。
けど、この先何があるかわからない。もしかしたら男に向く時があるかもしれない。
そう考えただけで、恐くてたまらなかった。
でもそれが、現実になってしまった。
本気かどうかはわからないけれど、今、蓮は男を好きになったと言ったんだ。
「凄く可愛いんだよ、その子」
「どうせまた、撃沈すんだろ」
「えー。祈っててよ。実ります様にって」
そんなの、無理だ。
俺は、中一の時から今までずっと好きだったんだ。
それなのに他の人と蓮がデキるように、なんて願えるわけがない。
「まぁ一応、応援はしといてやるよ」
なのに、吐いて出た言葉は心にも無い言葉。
精一杯の、俺の強がりだ。
蓮が誰かに告白する度に、俺は不安で押し潰されそうになる。
なら一層、告白してしまおうかと何度思った事か。
でも、例え一週間ある内の二日間だけでも蓮が俺に会いに来てくれるなら、その日を壊す事なんて俺には出来なくて。
振られて俺の所に帰って来ると、嬉しくて、安心してしまう。
こんな最低な俺に、蓮が振り向くはずがない。
「ありがとね」
へらりと笑い、ベッドに押さえつけていた俺の腕を離してギュッと抱き締めてきた。
勘弁して欲しい。
毎週金曜日と土曜日は同じ事の繰り返しだ。
それでも、この時を喜んでいる自分がいる。
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