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蓮が食器を片付け終えると、三人で床に座る。
俺と隼人はこれから長々と話されるであろう蓮の恋バナに目を合わせ肩を落とした。
「今日ゆみちゃんに振られたけどさ、いい子見つけたんだぁ。一年三組の仲谷冴(なかたにさえ)くんて子でね」
「は?男!?しかも一年って」
隼人が驚くのも無理はない。
ここに来てずっと蓮の恋バナを聞かされたてきたけど、男を好きになったと聞かされたのは初めてだ。
蓮が好きになるのは同学年か先輩で、年下は初めての事。
「男だけど、可愛いんだって!ゆみちゃんなんて目じゃないよ。見たらビックリするよー」
「うわ、最低。お前も懲りないよな。今日振られてもう好きな子見つけるなんて。どうせ振られるよ」
「隼人くんまで尚と同じ事いわないでよ」
「え?なに、尚知ってたのか?」
「あ、あぁ…隼人が帰って来る数分前に聞いた。年下ってのは聞いてなかったけど」
年下の男か。どんな子だろう。いつ、出会ったんだろうか。
蓮の選んだ子だから、絶対可愛いよな。ゆみちゃんだって、学年では結構人気で俺も可愛いとは思っていた。
ゆみちゃんより可愛い子だなんて。絶対敵わない。
俺は、蓮にどう映っているんだろう。
「で、また金曜日に告白するつもりか?」
「うん。告白するまでに冴くんの情報集めてお近付きにならないと」
隼人が尋ねると迷う事なくハッキリと言う。意気込む蓮に冷たい視線が一つ。
隼人は呆れていた。
「一層の事、冴って奴が蓮と付き合ってくれたら毎週こんな話聞かなくて済むのにな」
ポロっと言った隼人の言葉に胸が痛む。
でも、蓮が誰かの恋人になったら、俺は諦められるだろうか。
出来る事なら、この恋を終わらせてしまいたい。
まぁ…無理だろうけど。
四年と半年の片思い。
結構、長い片思いだよな。
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