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06
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冴はキスで満足してくれたのか、あの後自分でケチャップを拭いてくれた。
食堂を出て、自分の部屋に向かう。
寮に繋がる階段を上ろうとした時、冴に服を掴まれた。
「なに?」
「今日、蓮先輩の部屋に泊まってもいいですか?」
「え、何で?」
「蓮先輩の事もっと知りたいので」
「いや、俺だけの部屋じゃないから流(ながれ)に聞いてみないと」
立花流は俺と1年の時から同じクラスで、学年で成績1位の生徒会長だ。
唯一俺の好きな相手を知っている人物で、俺が週末尚の所に行っていた事も知っている。
「立花会長と同じ部屋なんですか?」
「うん、今年からね」
男子寮専用の食堂は高等部の男子寮の地下1階にあり、1階が1年、2階が2年、3階が3年の寮になっている。
俺の部屋は食堂に繋がる階段を上がって目の前にあるから、あっという間に部屋の前に着いてしまった。
「ちょっとここで待っててね。流に聞いてくるから」
「はーい」
冴の返事を聞くと、鍵を開けて中に入った。
テーブルの上に沢山の紙を広げて、なにやらブツブツと呟いている。
生徒会の仕事かな。もしかしたら体育祭の準備とか。ここの学校は体育祭が6月の終りに行われるのだ。
「何か用か」
俺の方は見ずに、紙をペラペラ捲りながら聞いてきた。
ちょっと言うのを躊躇ってしまう。
流は今日の結果を知っているんだろうか。
「早く言え。俺は忙しい」
「あ、ごめん…あのさ、部屋に…泊めていい?」
「誰をだ」
「1年の…仲谷冴って子なんだけど」
「何故だ」
「俺の事を知りたいって…あ、ダメならいいんだ」
ガタンと激しくテーブルに手をついて立ち上がり、いきなり流に胸ぐらを掴まれた。
「お前は馬鹿か」
何でそんなに怒ってるの。
「だから、ダメならいいってば。手、離してよ」
「尚はどうした?本気でそいつと付き合うつもりか」
「ーーっ」
「どうなんだ?」
「ーーそうだよ。今日告白してやっとオーケーもらったんだ。これで尚を忘れられるじゃん」
「本気で言っているのか?」
「あぁそうだよ。だって尚は…尚は隼人くんが好きなんだ。見ちゃったんだよ、さっき…二人がっ」
あぁ、情けない。
何で泣いてんの、俺。
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